マーケティングの知識はデザイナーにも重要!おすすめ勉強方法をご紹介

マーケティングの知識はデザイナーにも重要!おすすめ勉強方法をご紹介

”Webデザイナーがパソコンでマーケティングの知識を勉強している様子”

「デザイナーもマーケティングのスキルや知識を身に着けることが必要」と、あらゆる業種においていわれています。デザイナーの中でも、特にWebデザイナーにおいては、今後マーケティングスキルが不可欠と注目されている昨今。そこで今回は、その理由や具体的な勉強方法をご紹介します。

マーケティングスキルや知識はなぜ必要?Webマーケティングって?デザインやWebサイト制作への影響

デザイナーがWebマーケティングの重要性について打ち合わせをしている場面

そもそもマーケティングとは何か

マーケティングとは、簡単に言うと「商品やサービスが自然と売れる仕組みを作ること」。
「誰に(ターゲット)」「何を(商品・サービス)」「どうやって届けるか(広告・販売方法)」を考えて、お客さんに選んでもらえる状態をつくる活動がマーケティングです。

マーケティングはさまざまな場面で必要になりますが、特にWebサイト制作・運用などにかかわるWebマーケティングにおいては、クリック数・滞在時間・購入率・検索順位(SEO)などの成果が明確に見えることもあり、綿密なマーケティング施策が求められます。

つまり、Webサイトなどは「作ること自体」がゴールではなく、「作ったあとにどう役立てるか?」が重要。Webデザイナーは、このゴールに沿ったデザインの提案が求められるのです。

デザインは、マーケティングの一部

では、デザインとは何か。ビジネスの中で行われるデザインはほとんどの場合、ただ綺麗なものをつくればいい、というものではなく、そのデザインを見た人に商品・サービスの魅力など伝えたいものを感覚的に訴え、行動(購入・問い合わせ・登録など)を促すために意図して行われるものです。つまり、デザインはお客様に選んでもらえる状態をつくる(=マーケティング)ための手段の一つといえるでしょう。

以下はそれぞれ、マーケティング施策の一例です。

  • ターゲッティング…パン屋さんが通勤中の人をターゲットに朝早く焼きたてのパンを出す(誰に)
  • プロモーション…ゲームの無料体験版をリリースして、まず興味をもってもらう(どうやって届けるか)
  • デザイン…料理教室のWebサイトを、 美味しそうでおしゃれな料理写真を大きく配置し、SNSでシェアしたくなるデザインにする。気軽に雰囲気も体験できるように、お試し動画や無料レシピをトップに置く。(伝える手段)

→デザインはマーケティングの手段の一つなので、受け手を意識したマーケティングの理解がないと、本質的に「良い」デザインの提案ができないのです。

AIの台頭、競争の激化

上記のようなビジネスにおけるデザインの目的の観点ではもちろん、近年の世の中の変化としても、デザイナーにはより一層マーケティング視点が求められています。
AIによるデザインの考案や制作が可能になった昨今、「指示された通りにつくるデザイナー」は、淘汰されてしまうでしょう。また、新たにデザイナーになる人は特にWeb領域において増加傾向にあり、「ただデザインをつくることができる人」の市場価値はどんどん薄まっていきます。

今後生き残るのは、マーケティング目的に沿って本当に良いデザインを見極め、提案できる人、マーケティング視点をもち、コンサルティング的な要素も担える人なのです。

具体的な勉強方法ー独学での進め方、おすすめ本、スクール・学習サービスー

Webデザイナーがマーケティングをオンラインスクールや独学で学んでいる様子

おすすめの進め方

インプット(まずはここから!)

  •  マーケティングの本を読み、基本的な用語や考え方を学ぶ
    まずは1冊、入門書からでOK。次の項目でおすすめ本もご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
  •  成果を意識したデザインの事例を知る
    実際の事例を、記事やSNS、YouTubeなどでチェック。マーケティングの理論を知っているだけでは、なかなか実案件に活かすのは困難です。実戦での考え方やマーケティング知識を使いこなす感覚を、事例から掴んでいきましょう。「デザイン マーケティング web 事例」などのワードで検索してみるのがおすすめです。

アウトプット(実践してみることが大切。)

  •  見かけた広告やWebサイトなどのデザインが、どんな効果を狙っているものか考える
    すでにデザインを手がけている方なら、普段から他社のデザインを観察している人は多いかもしれません。そこに「売れる仕組み」を意識して見ることで、より本質的なマーケティングの学びになります。デザインを見る目に「売れる仕組み」の視点を足すと、クライアントに提案できる引き出しもぐっと広がります。

    「どんな効果を狙っているのか?」「ターゲットは誰か?なぜこの形式の媒体を選んだのか?」「購入や登録など、どんな行動を促したいのか?」というマーケティング視点でも考察して、自分の言葉にしてみましょう。

  •  制作したデザイン提案について、「なぜこのデザインか」をマーケティング的に説明してみる
    「見やすいから」、「情報が整理されているから」といった見た目の説明にとどまらず、たとえば「購買意欲を高めるためにCTAを配置した」、「ターゲットの不安を解消するためにFAQを強調した」、「登録率を上げるためにフォームを短くした」など、マーケティングの目的と結びつけて説明する練習をしてみましょう。 これができると、クライアントに対する説得力も一気に高まります。
  • 仮説検証してみる
    小さな案件でも「ABテスト」や「比較検証」を取り入れてみたり、 制作後にGoogleアナリティクスやSNSの数値を確認し、「改善の仮説」を立てる練習をしてみましょう。「マーケティング視点で仮説を立てる→実際のデザインに活かしてみる→効果検証→考察・改善」というサイクルを回すことで、どんどん本当に効果を出せるマーケティング観点が研ぎ澄まされていくでしょう。無料ツールでも行うことができます。

    ※案件や立場によっては数値に直接アクセスできない場合もあります。 その場合は公開されている事例や、SNSでの反応の違いを比較するなど、身近にできる範囲で実践してみるのがおすすめです。

おすすめの本【Webデザイナー必見】

入門:『ドリルを売るには穴を売れ』, 佐藤義典(著)

クライアントに「価値の本質」を提案できるように。「人を動かすには、どうすればいい?」といった基本的なマーケティング視点を身に着けるために、おすすめの一冊。マーケティングの入門書として、ぜひ一冊目に読んでみてください。

Amazonリンク:https://x.gd/7UXyE

中級:『沈黙のWebマーケティング』, 松尾茂起(著)・上野高史(イラスト)

漫画風のストーリー形式で、面白い!と話題になった本。 Webマーケティング全体像を理解し、実際の案件をマーケティング視点で俯瞰できるようになります。「単に見た目を作る」→「Web全体で成果を出す流れの中でデザインを見る」というように、木を見て森を見る力が身につく一冊、と期待できます。SEOの基本概念にも触れられているので、Webデザイナーに重要な知識が身につきます。Webの基本用語が登場するものの解説もあるなど、初心者でも読みやすいですが、実際の案件を経験してから読む方はさらに理解が深まるでしょう。

Amazonリンク:https://x.gd/mFRDz

おすすめのスクールや学習サービス【マーケティングやWebのプロから指導】

「仕事が忙しくて、独学では続けられる自信がない…」「プロからの指導を受けて学びたい」という方には、以下のようなオンラインスクールや学習サービスの利用もおすすめです。

Schoo(スクー)

ライブ配信形式の授業で、幅広いジャンルを学べる点が特徴のオンラインスクール。
デザイナー向け授業が多い中で「マーケティング」「データ分析」「企画」など多岐にわたって学べるため、マーケティング知識・スキルを養いながら、デザイナーとしてのレベルアップが期待できます。

Schoo公式HP:https://schoo.jp/

Udemy(ユーデミー)

世界最大級のオンライン学習サービスで、デザイナー向けのマーケティングに関する講座など、ニッチな講座が多数。必要なテーマに沿った講座の動画コンテンツをピンポイントに買い切り学習できるため、コストや時間の面でも融通が利きやすく、とりあえず費用は抑えて短期間で学びたい方にもおすすめです。

Udemy公式HP:https://www.udemy.com/ja/?srsltid=AfmBOorNwR2FBynd3ZEV96CKStANSETO2FT3PyJUid2NY3hC7jJ2j5AY

まとめ:これからのデザイナーは、ビジネス視点からのデザイン提案で顧客やユーザーに求められ続ける人材へ。

AI時代に顧客から評価されるデザイナーの成功イメージ
今後デザインやWebサイト制作の仕事で成果を出すには、マーケティングの知識・スキルを備えることがもはや必須。デザイナーがマーケティングを学ぶと、ユーザーに本当に求められるデザインを形にできるようになり、「提案力が高いデザイナー」、「結果を出せるデザイナー」として、クライアントや会社から重宝されるのです。

たとえばフリーランスや副業としてデザインを手がけている方なら、案件の規模・単価アップや継続受注につながり、より安定した働き方や年収アップも夢ではありません。また、頑張りや実績次第によって、マーケターとしても活動できるなどキャリアの選択肢も広がるでしょう。
企業に所属するデザイナーの方なら、企画やマーケティング部門との橋渡し役になれたり、売上やKPI改善に直結する実感を得られるのも大きな強みです。「事業に貢献できる人材」として評価され、キャリアアップのチャンスも広がります。

さらに、どんな雇用形態の方であれ、「なぜこのデザインなのか」をマーケティング視点で説明できるようになると、根拠ある提案が可能になり、修正依頼も減ります。事前のヒアリングで目的やターゲットを整理できるため、プロジェクト全体の無駄も減り、関係者からの信頼も高まります。

これからはマーケティングのスキル・知識やビジネス視点を持つデザイナーが、AIの発展やライバルとの競争にも負けず、活躍の場を広げていけるでしょう。