テクニカルseoとコンテンツseoの違いとは? 優先する施策を徹底解説!

テクニカルseoとコンテンツseoの違いとは? 優先する施策を徹底解説!

検索上位を狙うには、コンテンツの質に加え、クローラーやインデックスの最適化=テクニカルSEOの理解も欠かせません。

テクニカルSEOとは検索エンジン向けの施策、コンテンツSEOとはユーザー向けの施策です。
最適化すれば、Webサイトへの流入増加が期待できます。
企業のSEO担当者に向け、テクニカルSEOとコンテンツSEOについて解説いたします。
メリット・デメリットや具体的な手法も解説しているので、参考にしてください。

ターゲットの違いで分かれる2つのSEO

検索結果で上位に表示されるためには、SEO対策は大きく「テクニカルSEO」と「コンテンツSEO」の2方向に分かれます。 前者は検索エンジンが評価しやすい仕組みを整える作業、後者は読者に価値ある情報を提供する取り組みです。 それぞれの特徴を以下の表に整理しました。

分類テクニカルSEOコンテンツSEO
特徴・検索エンジンがターゲット・ユーザーがターゲット
・サイトの内部構造を整え、検索エンジンがクロール・インデックスをしやすくするための施策・コンテンツの質を高めて、ユーザーや検索エンジンからの評価を得る施策
・プログラミング記述の的確さが問われる・情報の網羅性や専門性が問われる
・Googleのガイドラインを参考にできる・明確な評価基準は公開されていない

テクニカルSEOとコンテンツSEOの違いを整理し、優先して進めるべき対策を解説しています。

テクニカルSEOの概要

テクニカルSEOは、ウェブサイトの仕組みを見直し、検索エンジンが情報を取得しやすい状態に整えるための対策です。 検索ロボット(クローラー)がページを巡回し、内容をデータベースへ登録する過程をスムーズにすることで、検索結果での順位向上や安定化が期待できます。 サイトの評価を着実に高めたい場合に役立つアプローチといえます。

対象は検索エンジン

テクニカルSEOが目指す相手は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンです。 検索ロボット(クローラー)がサイトの各ページをスムーズに解析できる環境を整えることで、適切に評価される可能性が高まります。
具体的な取り組みとしては、URLの正規化、ページ表示速度の向上、内部リンク構造の改善などが代表的です。
検索エンジンが全体を効率よく巡回できるよう、サイト全体の最適化が欠かせません。

コンテンツSEOの概要

コンテンツSEOとは、ユーザーに役立つ情報を発信し、その価値を検索エンジンに認めてもらうことで上位表示を目指す取り組みです。
ユーザーの疑問を解決する記事、最新のトレンドを伝えるレポート、専門分野の詳しい解説など、読者にメリットを与えるコンテンツを作成し、自然検索からのアクセス増加を狙います。
テクニカルSEOのように数値で評価しやすい分野とは異なり、コンテンツSEOには明確な正解が定義されていない点が特徴です。

対象は訪問者

コンテンツSEOは、サイトを訪れる読者や顧客を主な対象に据えた取り組みです。ユーザーが知りたい情報や役立つ記事を継続的に提供し、自然な集客を目指します。
価値の高い記事や充実した情報を積み重ねるほど、検索エンジンからの評価も高まり、結果として上位表示やアクセス増加が期待できます。
テクニカルSEOが検索エンジンの仕組みに最適化する施策であるのに対し、コンテンツSEOはあくまでユーザー体験を中心に据える点が特徴です。

どちらを優先すべきか?テクニカルSEOとコンテンツSEO

どちらを優先すべきか?テクニカルSEOとコンテンツSEO

安定した検索流入を長期的に得るには、テクニカルSEOとコンテンツSEOの両方が欠かせません。どちらか一方を優先するというより、双方を並行して進めることが望ましいと言えます。
アプローチは異なりますが、どちらも検索順位向上に重要な役割を果たします。
作業面から見ると、明確な基準が定義されているテクニカルSEOの方が着手しやすく、手順を体系化しやすい点が特徴です。コンテンツSEOは評価が数値化しづらい分、運用には試行錯誤が求められます。

テクニカルSEOの主な利点

テクニカルSEOを実施すると、検索エンジンから正確に評価される可能性が高まり、サイトの順位改善につながります。

取り組みやすさ

テクニカルSEOは、既に確立された技術的手法が多く、実装しやすい点が大きな魅力です。 Googleが公開している公式ガイドラインを参考に、問題点を特定して修正していけば、成果を得やすいでしょう。 必要な作業内容が明確なので、SEOの経験が浅くても対応しやすいのも特徴です。

効果を確認しやすい

施策の結果を数値や指標として把握しやすいのもメリットです。サイト内部を整備することでコンテンツSEOの効果も引き出しやすくなります。 さらに、検索アルゴリズムの更新による順位変動の影響を受けにくく、長期的な集客を期待できる点も強みと言えます。

テクニカルSEOの注意点

テクニカルSEOは成果につながるまで時間を要し、専門的な知識や人員が求められる点に留意が必要です。

成果が現れるまで時間がかかる

実施した施策が検索結果に反映されるには一定の期間が必要で、すぐに順位が向上するわけではありません。 短期的な効果を狙う場合には不向きなアプローチといえます。

多くのリソースが必要

専門家への依頼や外注を行う場合、打ち合わせや確認作業など社内外で多くの工数とコストが発生します。 さらに、コンテンツの追加・更新に伴うエラー修正やアルゴリズム変更への対応など、継続的なメンテナンスが欠かせない点も負担となります。

コンテンツSEOの利点

記事制作などを中心としたコンテンツSEOには、以下のような強みがあります。

持続的な集客につながる

質の高いコンテンツを作成しておけば、削除しない限りウェブ上で公開され続け、長期間にわたり訪問者を呼び込む効果を期待できます。

広告コストを大幅に削減できる

コンテンツSEOは一度記事を公開すれば、基本的にサーバーやドメインなどの維持費だけで運用可能です。 クリック課金や高額な掲載料が必要な従来型の広告と比べ、プロモーション経費を大きく抑えられます。

コンテンツSEOの課題

コンテンツSEOの課題

コンテンツSEOで記事を制作する際は、次のような点に留意が必要です。

成果が出るまで時間を要する

テクニカルSEO同様、コンテンツSEOも即効性は期待できません。 検索エンジンにページが認識され、評価が定着して初めて順位が上がるため、効果が現れるまで一定の期間がかかります。

制作と運用にコストがかかる

質の高い記事を作成するには多くの工数が必要で、社内で執筆する場合も負担が大きくなります。 外部のライターや専門家に依頼すれば、監修費や外注費が発生する可能性もあります。 また、公開後も情報を最新状態に保つための継続的な更新や修正が欠かせません。

テクニカルSEOの主な種類と進め方

テクニカルSEOは目的別に大きく「クローラー向け」と「インデックス向け」の二系統に分けられます。 ここでは、それぞれの特徴と実施手順を紹介します。

クローラー対策

この施策は、検索エンジンのクローラーがサイト内をスムーズに巡回し、内容を正確に把握できるよう環境を整えることが狙いです。 クローラーはページの文章や画像情報を収集して検索順位を決定します。 適切な対策を行えば、インデックス登録までの時間を短縮し、評価低下を防ぐ効果が期待できるため、優先度は高いと言えます。

インデックス対策

インデックス施策は、クローラーにコンテンツの内容を正しく理解させるための最適化です。 対策後はGoogleサーチコンソールなどを使って、インデックス状況やエラー有無を確認し、問題がなければ次の改善へと進めるサイクルを繰り返します。

クローラー対策の具体策

検索エンジンのクローラーにサイトを効率良く巡回してもらうには、以下のような施策が有効です。

ページ表示速度を改善する

表示が遅いページはユーザー離脱の原因となり、検索順位にも影響します。以下の方法で表示速度を向上させましょう。

  • 画像・動画のサイズを適正化する
  • サーバー側でファイル圧縮を行う
  • スクロールに応じた遅延読み込みを導入する
  • ブラウザキャッシュの保持期間を延長する

サイト階層をシンプルにする

構造が浅いほど重要ページと判断されやすく、ユーザーも閲覧しやすくなります。 トップページから3クリック以内で全ページに到達できる設計が理想です。
カテゴリーページやパンくずリストを整備し、内部リンクを適切に配置しましょう。

モバイル対応を徹底する

総務省の2023年「通信利用動向調査」によると、すべての都道府県でスマートフォン利用率は72.9%以上に達しています。
スマホ画面に最適化したレイアウトやデザインを導入し、ユーザーが拡大・縮小せずに閲覧できるように設定してください。

“出典:総務省「”2023年通信利用動向調査“」

自社サイトがモバイル対応できているかチェックするには、Googleの「”モバイルフレンドリーテスト“」

を活用すると、自社サイトの対応状況を簡単に確認できます。

適切なURL設計

URLは初期段階からわかりやすく設定することが重要です。

  • 内容が推測できる短い構成
  • 英数字で表記
  • 区切りはハイフンを使用

日本語表記のままでは正確に認識されない場合があるため、英語で統一しましょう。

クロールエラーを防ぐ

クロールエラーは正しいインデックス登録を妨げ、検索評価の低下につながります。 Google Search Consoleでエラー箇所を確認し、速やかに修正することが不可欠です。

インデックス対策の具体策

検索エンジンのクローラーにページ内容を明確に伝え、正確に登録してもらうための施策をまとめます。

タイトルは簡潔かつ内容を示す

タイトルは記事の要約であり、検索結果にも直接表示される重要要素です。
設定時のポイントは以下のとおりです。

  • 主要キーワードを必ず含める
  • キーワードはできるだけ冒頭に置く
  • 30文字以内を目安に簡潔にまとめる
  • 重複しないユニークなタイトルにする

titleタグやmeta description、見出しは検索エンジンへ「このページは何を扱っているか」を伝える基本情報になります。

見出しタグで論理的に整理する

見出しは文章構造を示し、ユーザーが流し読みした際にも概要が理解できるように設定します。

  • h1は1ページにつき1回のみ使用
  • h2・h3・h4など階層ごとに適切に配置
  • キーワードは不自然にならない範囲で挿入

キーワードを過剰に詰め込むと可読性が下がり、評価が落ちる場合があります。

画像はalt属性で補足

クローラーは画像認識の精度が十分でないため、テキストで補助する必要があります。
以下を意識しましょう。

  • ファイル名は意味がわかる英語で設定
  • alt属性(代替テキスト)に関連キーワードを盛り込む
  • alt属性で画像の内容を簡潔に説明
  • 重要画像はページ上部に配置

リンクとアンカーテキストを最適化

リンクテキスト(アンカーテキスト)は、移動先ページの内容を的確に示す語句を使います。
「こちら」「クリック」などあいまいな表現は避け、ページタイトルや内容を反映した文言を設定しましょう。
また、404エラーや301リダイレクトの設定など、リンク切れ防止も欠かせません。

重複コンテンツを回避する

同一または類似度の高いページが複数存在すると、検索エンジンはコピーコンテンツと判断しインデックス登録を抑制します。
キーワード検索やコピペチェックツールを利用して、他サイト・自社内の重複を確認してください。
同テーマで記事を量産する前にキーワードを精査し、オリジナル性を確保することが重要です。

テクニカルSEOには分析ツールの活用が有効

テクニカルSEOを進める際は、手作業だけでなく各種ツールを併用すると効率が高まります。
内部状況の解析や改善点の把握に役立つ代表的なツールを紹介します。


  • Googleサーチコンソール

    Googleが提供する無料サービスで、ページの表示スピードやモバイル対応状況などを把握できます。

  • TACT SEO

    キーワード調査や順位チェック、改善すべき課題の抽出まで、SEO対策に必要な分析機能を幅広く備えたツールです。


  • dead-link-checker

    サイト内リンクが切れていないかを一括で確認できる無料チェックツール。リンク切れを早期に発見できます。


  • Lumar

    Webサイト全体を自動的にクロールし、インデックス可能かどうかを確認してくれるサービス。
    従来は目視で行っていた確認作業を一括でリスト化できるので、作業時間の短縮に効果的です。

まとめ

この記事では、テクニカルSEOとコンテンツSEOの基本概念から、それぞれの利点・注意点、さらに具体的なテクニカルSEO施策までを紹介しました。

テクニカルSEOはサイト内部の構造を最適化する作業であり、コンテンツSEOは読者に価値ある情報を届けるコンテンツ制作の取り組みです。

テクニカルSEOは手順や方法が比較的明確なため、取り組みやすいのが特徴です。自社サイトに反映することで、安定したアクセス増加を狙えます。

検索結果で上位を目指すには、質の高いコンテンツの制作だけでなく、サイト構造やユーザー体験を改善し、クローラーが正しく評価できる環境を整えることが欠かせません。

一歩ずつ施策を実行していくことで、Webサイト全体の評価を着実に高められます。
まずはサイト分析ツールで現状をチェックし、優先施策から一歩ずつ改善を始めてみてください。