Illustrator(イラストレーター)でデータ作成をする際、気をつけなければいけないのが「フォントのアウトライン化」です。なぜ気をつける必要があるのでしょうか?
そもそも、Illustratorのアウトラインって何なの?という、はじめましての方も確認しておきましょう。
また、アウトライン化をした後の編集で注意すべき点などについても見ていきます。しっかり理解していないと、印刷・入稿データを作る際にはとても痛い目を見ます…。印刷物を作る際には基本の「き」というほど大事なことなので、これができないと「そんなこともできないの!」と、言われないにしても、思われてしまうかもしれません…。
Illustratorは使っているけど今更聞けない、という人も、普段からIllustratorで操作はするけど今一度おさえておきたい!という人も、しっかり習得してください!
目次
【印刷・入稿データに注意】イラストレーターでアウトライン化するには?
Illustrator(イラストレーター)の文字は、最初はフォントの種類、大きさ、色などの「情報」の状態になっています。このままファイルを保存し他の人のPCで作業しようとすると、他の人のPCに、作成時に使用したフォントがインストールされていない場合は正しく表示されず、いわゆる「フォント切れ」という状態を起こします。せっかく作ったデザインが作った通りに表示されず、違うフォントに置き換わってしまうのです!
これでは困っちゃいますね。印刷のためにデータを入稿する際、ほとんどの印刷会社はこのような状態は受付してもらえず、データ不備として返されてきてしまいます…。もう一度提出するというような、余計な手間にならないよう、気をつけましょう。
illustratorで文字をアウトライン化する方法
Illustratorでテキストをアウトライン化する場合は、以下の通りの手順でできます。尚、Illustratorをウィンドウズで使う場合も、macでも同じです。
- ①アウトライン化したいテキストを選ぶ
- ②「書式」メニューのところから、「アウトラインの作成」をクリック
これだけ!この操作を行うことによって、今までテキストだったものたちが、パスで形成されたオブジェクトに変身です。
アウトライン化することによってのメリットと入稿時の注意点
見た目では分からないのですが、選択された状態と様子がアウトラインの作成前後で違ってきます。選択すると、操作前はテキストに下線が引かれているような状態ですが、操作後では、オブジェクトの輪郭がパスで型取られているのがわかるハズです。長方形や楕円形などのオブジェクトと、性質は一緒です。
図形として扱われるようになるので、どのPCで開いても、そのPCの中に使用したフォントが入っているかに関係なく、デザインした見た目そのままで表示されるようになるのです。
また、文字が入っていない抜け殻の点(孤立点)や、オブジェクトからエリア内文字にした後に入力をしていない場合の抜け殻など、表示されず見えないまま放置されているものが残っていても、印刷所からは差し戻しになってしまうことがあるので気をつけてください。そんな凡ミスを防ぐためにも、入稿前は「全選択してアウトライン」を心がけましょう!
Illustratorでアウトラインを作成すると解除できない!データの保存方法に注意
さて、Illustrator(イラストレーター)で文字を印刷・入稿する準備が整いました。
しかし、後から文章の内容を変えたい…という場合はどうでしょうか。オブジェクトとして編集することはできますが、フォントの種類が何か、大きさが何ptかなどの文字の「情報」を失っている状態なので、そのような内容を編集することはできません。
例えば「100」と入力したところを「200」と打ち変えたり、種類を「〇〇明朝」から「〇〇ゴシック」に変更したりすることはできないのです。アウトラインは取り消しの操作以外で解除することはできません。上書き保存をした後でアウトライン化した後のIllustratorのデータを閉じてしまうと、戻すことさえもできなくなってしまいます!
このような事故を防ぐためにも、保存する際には、アウトラインにする直前のデータも別名で保存しておくことをおすすめします。バックアップを取っておけば、後からの編集が必要になったとしても安心ですね。
イラレでアウトライン化した文字(フォント)は編集できる?
illustrator(イラストレーター)でアウトラインに変換したテキストは、文字としては編集できませんが、オブジェクト、図形としてならできます。色や形状は自由に変形できるということです。
むしろ、グラデーションをかけたい時は、アウトライン化する前だとできないため、色や形状の自由度は増していくこともあります。オブジェクトとして扱うことで、変形して面白いデザインを生むこともできるので、工夫次第でIllustratorでのデザインの引き出しを広げることにもつながります。
長方形や円など、他の図形を編集するときと同じように変形することができるようになるからです。凝ったデザインの文字のロゴマークを作るときなど、形状の一部を変形することができるので、デザインのアイディアの一つとして取り入れてみるのもいいですね。
以上、Illustrator(イラストレーター)でアウトラインを作成する方法と注意点を紹介していきました。とても大事な、必須の知識です。必ずマスターして、Illustratorを使いこなしてくださいね!