Illustrator(イラストレーター)でデザインをするとき、オブジェクト(図形)に色を塗ったり、線を使ってフチをつけたり、不透明度を調整してオブジェクトを半透明にするなどして、描いた図形にデザインをしていく方法がありますが、効果(アピアランス)を適用すると、平面的なデザインが効果をかけると立体的に見えるようになり、簡単にデザインの幅を広げることができます。
Illustratorで使える「効果」はたくさんありますが、今回は、オブジェクトに影をつけたり、ぼかしを入れたり、角を丸くしたりできる「スタイライズ」の効果を説明していきます。
目次
Illustratorの「スタイライズ」効果では何ができるの?
メニューバーの「効果」を見ると、Illustratorではたくさんの効果が用意されていることが分かります。今回は「ラスタライズ」を詳しく見ていきたいと思いますので、メニューバーの「効果」→「スタイライズ」を見てみましょう。
ラスタライズには、
- ぼかし
- ドロップシャドウ
- 光彩(内側)
- 光彩(外側)
- 落書き
- 角を丸くする
の6つの効果があります。
今回は、こちらの素材を使って、afterのように効果を付けてみましょう。
Illustratorの角を丸くする、落書きの効果で背景の長方形に効果をつける
まずは、後ろにある大きい四角形に、コーナーを丸くする効果と、手書き風の効果を適用してみましょう。Illustratorの「角を丸くする」と「落書き」の効果を使います。
効果をつけたい長方形を選択します。ツールバーから選択ツールをクリックし、長方形をクリックすると選択ができます。
メニューバーの「効果」→「スタイライズ」→「角を丸くする」を選択すると、ダイアログボックスが出てきます。
左下にある「プレビュー」にチェックを入れておくと、数値を変えたときに後ろの図形がリアルタイムで変化するので、効果のかかり具合を確認しながら調整できて便利です。
角の丸さを調整できる「半径」は、数値で設定します。今回は13mmに設定します。
次に、手書き風の効果をつけてみます。長方形が選択されている状態で、Illustratorの「効果」メニュー→「スタイライズ」→「落書き」を選択すると、詳細設定のダイアログボックスが出てきます。
線幅(落書きの線の太さ)は、太すぎると塗りつぶされてしまうので、プレビューを見ながら調整しましょう。今回は1.3にしておきます。大きな長方形の角が丸くなり、手書き風の効果が付きました。
Illustratorのドロップシャドウの効果を使って図形に影をつける
緑と青のふせん、赤と黄色のピンに、影の効果をつけてみましょう。まずは、効果をつけたい図形を選択します。Shiftキーを押しながら4つの図形を選ぶと一緒に選択できます。
次に、Illustratorのメニューバーから「効果」→「スタイライズ」→「ドロップシャドウ」をクリックし、詳細設定のダイアログボックスを開きます。各設定の説明は以下の通りです。
描画モード:オブジェクトと影をどう合成するか ※今回は乗算に
不透明度:影の透明度。下げると薄くなり、上げると濃くなる ※今回は50%に変更
X軸オフセット:X方向(右方向)へのずれの幅 ※今回は初期設定通り
Y軸オフセット:Y方向(下方向)へのずれの幅 ※今回は初期設定通り
ぼかし:影の広がり方 ※今回は初期設定通り
すると、各オブジェクトに影が付きました。影をつけることで、平面的だった図形が一気に立体的に見えるようになりましたね。
Illustratorの光彩(内側)の効果を使って図形に色の効果をつける
次は、Illustratorの「光彩(内側)」を使って、図形の内側に色をつける機能です。まずは効果を適用したい図形を選択します。Illustratorの「効果」→「スタイライズ」→「光彩(内側)」を選択し、ダイアログボックスを開きます。
各設定の説明は以下の通りです。
描画モード:プルダウンの横にある□で光彩の色を選ぶことができる。今回は薄いピンクに
不透明度:光彩の色の濃さ 今回は100%→より広く光彩の効果がかけることができる
ぼかし:光彩の広がり方 ※今回は初期設定通り
中心:図形の中心から輪郭線に向かって光彩がかかる ※左のハートはこれ
境界線:境界線から図形の中心に向かって光彩がかかる ※右のハートはこれ
これで、2つのハートのオブジェクトに効果が付きました。左側のハートには、光彩の方向を「中心」に設定したので、中心から光彩がかかっています。右側のハートには、「境界線」を設定したので、外側から中心に向かって光彩がかかっています。
Illustratorの効果「ぼかし」を使って蛍光ペン風の効果をつける
最後に、文字に重ねてある黄色い長方形に「ぼかし」の効果をかけて、蛍光ペンで引いた線のように加工してみます。まずは、黄色く塗った長方形を選択し、メニューバーの「効果」→「スタイライズ」→「ぼかし」を選択すると、ダイアログボックスが開きます。
設定は以下の通りです。
半径:図形の輪郭をぼかす大きさ。あまり大きくしすぎると見えなくなってしまう ※今回は2.5mmに設定
これで、蛍光ペン風に長方形をぼかして表示する効果が設定できました。
図形に適用されているIllustratorの効果を確認するにはアピアランスパネルが便利
「ウインドウ」メニュー→「アピアランス」パネルを表示しておくと、現在選択している図形に設定されている線・塗りの色や、どのような効果がかかっているかが確認できます。「ドロップシャドウ」など、それぞれの効果の名前をクリックすると、一度設定した効果を再編集できるので、アピアランスパネルは常に表示しておくことをおすすめします。
平面が立体的に見える!?Illustratorの効果〜スタイライズ編〜
今回は、Illustratorの効果について、スタイライズの内容を中心に説明しました。ドロップシャドウやぼかしの効果などは、Illustratorでデザインをする上で、簡単に使えてデザインにメリハリが出るので、とてもよく使われているIllustratorの効果です。各効果を有効に使えるかどうかは、数値の調整が大事になってきますので、プレビューを見ながら少しずつ調整することがポイントです!