パーソナライズド広告はユーザーの興味や関心にマッチした場合、購買行動に結びつきやすい広告です。しかし過去のユーザーの検索履歴から表示するため、さまざまな注意が必要です。パーソナライズド広告のメリット・デメリットを解説し、注意点をふまえた効果的な手法をご紹介します。
パーソナライズド広告とは、ユーザー1人1人に合わせた広告
パーソナライズド広告は従来の広告と目的や手法が全く異なります。ユーザー1人1人の興味や関心、過去の検索や購買履歴などに基づく広告をマッチさせて配信を行うターゲティング広告の1種です。
パーソナライズド広告と従来の広告との違い
従来の広告は自社の商品やサービスに合ったターゲットを、性別・年齢・地域・年収などの属性によって決定します。一方パーソナライズド広告は属性に加え、インターネット上でのユーザーの興味や検索履歴、過去の購買行動などに基づく細かな設定でターゲットを絞り、関心のありそうな広告を自動的かつタイムリーに配信します。
パーソナライズド広告を上手に活用すれば、従来の広告よりも潜在カスタマーとなる幅広いユーザーにマッチした情報を提供できるため、高い確率で購買につながります。
パーソナライズド広告の仕組み
もっともポピュラーなGoogleを例にとって、パーソナライズド広告の仕組みを解説します。Googleには膨大なアカウントがあり、アカウントごとにパーソナル情報があります。1人1人のユーザーの検索履歴、WEBサイト上での閲覧行動、利用するアプリ、ダウンロード履歴などの巨大なデータから情報を収集しています。
例えばあるユーザーがYoutubeで海外旅行の動画を視聴し、その後Amazonでバッグの検索をした場合、スーツケースの広告が表示されることがあります。このように、ユーザーのインターネット上の1つの行動だけでなく、幅広く収集した情報を組み合わせて、パーソナライズされた広告を配信するという仕組みです。
パーソナライズド広告の配信方法
パーソナライズド広告を配信する一般的な方法は、パーソナライズド広告を扱うプラットフォームを活用することです。プラットフォームを活用する上で、最も重要なのがターゲティングです。
どのようなユーザーの興味や行動履歴に関連付けて配信するのか、配信後も効果測定をして随時調整することが必要です。ユーザー1人1人に合わせて配信できることが、パーソナライズド広告の最大のメリットと言えます。
パーソナライズド広告を配信できるプラットフォーム
パーソナライズド広告を配信するには、主に以下のようなプラットフォームがあります。
Google、Yahooなどの検索サイト
Googleやyahooなどの検索サイトでパーソナライズド広告を配信できます。
例えばGoogleでは、以下のような要素に基づいてユーザーに表示されます。
- 興味のある広告の記事や情報などを検索したり、お気に入り登録したりする設定
- Google アカウントに登録された年齢や性別、住んでいる地域などの属性情報
- YouTubeで視聴した動画や、モバイル端末でインストールしたアプリとアプリを使用した時の地域や操作内容
Youtube、X(旧twitter)、Instaglam、などのSNS
X(旧twitter)、Instaglam、などのSNSでもパーソナライズド広告を配信できます。
X(旧twitter)のパーソナライズド広告は以下のような要素に基づいています。
- ユーザーのアカウント情報、フォロー関係
- ユーザーのポスト内容、リポスト、スペースの開催などの行動履歴
- ユーザーがつけたハッシュタグ、検索履歴
Amazon、楽天市場などのECサイト
Amazonや楽天市場などのECサイトでもパーソナライズド広告を配信できます。楽天市場は2025年の夏からパーソナライズド広告自動化の運用を開始しました。
Amazonのパーソナライズド広告は以下のような要素に基づいています。
- Amazonの検索および購買履歴
- AmazonプライムビデオやAmazonミュージック、その他のサービスの履歴
- Amazonのアカウント情報や配送履歴
ユーザー側・企業側それぞれのメリットとデメリットの解説

パーソナライズド広告は活用方法によって、ユーザー側にも企業側にもそれぞれメリットとデメリットがあります。メリットとデメリットの注意点をふまえた配信することが大切です。
パーソナライズド広告のユーザー側のメリットとデメリット
パーソナライズド広告のユーザー側のメリットは、自分の興味や関心のある広告を意識しなくても、新しい商品やサービスに触れる機会が増えることです。自分では気がつかなかった潜在的なニーズを掘り起こし、価値のある情報に触れる機会が生まれるというメリットがあります。
デメリットとしては、ユーザーが意図しない検索結果だったり、広告主の間違ったターゲティングにより、まったく関心のないミスマッチのバーソナライズド広告を何度も見せられたりすることです。一方自分では簡単に広告を非表示にできないことです。
ユーザーは自分の情報が意図しない形で収集され、さまざまな関連企業に拡散される心配から、最近ではプライバシー侵害の不安の声もあり、配信側の対策も始まっています。
パーソナライズド広告の企業側のメリットとデメリット
企業側にとってパーソナライズド広告は、自社にマッチする顧客だけではなく、潜在的な興味や関心のあるカスタマーにリーチできるというメリットがあります。消費者庁の調査では、ネットでモノやサービスを買う時、検索やおすすめ表示された場合、およそ50%の人が参考にすると答えています。

デメリットとしては、ターゲティングが不十分でユーザーにマッチしない広告が表示された場合、自社の企業イメージが悪くなり、費用対効果はマイナスになります。消費者庁の調査でも、70%近くの人がターゲティング広告をわずわらしいと感じています。ターゲティングにおける最大の注意点はユーザーのミスマッチと言えるでしょう。

出典:消費者庁 デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査(概要)令和2年5月20日
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_system_cms101_200520_02.pdf
パーソナライズド広告は、プライバシー保護に対しても留意しなければなりません。幅広い情報を集め、関連性のあるネットワークでデータを共有しているため、個人情報保護の観点からも、ユーザーが不安にならないような情報収集方法と情報管理が大切です。
パーソナライズド広告の効果測定と対策

パーソナライズド広告はターゲットが細分化されるため、随時分析して対策をしていかないと、すぐに効果のない広告になってしまいます。特にトレンドが重要な商品やサービスは、過去のデータからターゲットを絞るので注意が必要です。
パーソナライズド広告の効果測定方法
パーソナライズド広告の効果測定には、いろいろな方法があります。代表的なツールとして、Google アナリティクスがよく利用されています。
パーソナライズド広告の効果測定の指標としては以下のものがあります。
| クリック率(CTR) | 表示された広告がクリックされた割合 |
|---|---|
| エンゲージメント | 広告に対する反応(いいね、リポスト、コメント) |
| リーチ率 | 広告を見た、購入行動 |
| 費用対効果 | パーソナライズド広告を出す前と後の広告費と売上の比率 |
| インプレッション数 | 広告が表示された回数 |
パーソナライズド広告のメリットを高める対策
効果測定後の課題に対しては、パーソナライズド広告の手法やターゲティングの見直しなどの対策が必要です。
効果測定後のデータの分析
パーソナライズド広告は配信に利用するプラットフォームからの検証データだけでなく、自社の顧客情報やマーケティング調査の情報なども合わせて活用すると、ターゲティングをより最適化することができます。
プライバシー規制への対応
プライバシー規制への対応としては近年のCookieの規制に伴い、プライバシー順守の新しい代替情報収集ツール(googleのプライバシー サンドボックスなど)も検討するとよいでしょう。
トレンドや社会環境の変化への対応
目まぐるしく変化するトレンドや社会環境の変化への対応としては、AIや機械学習が組み込まれたプラットフォームの活用が重要です。
パーソナライズド広告の基本的な要素に加え、AIがコンバージョンをアップするために、AI意思決定エンジンのユーザー予測モデリングや、広告配信戦略・コンテンツの最適化が進んでいます。
パーソナライズド広告の活用まとめ

パーソナライズド広告はさまざまなプラットフォームで、ユーザーの属性、関心や興味、行動や購買履歴から、1人1人に合った最適な広告を配信できるメリットがあります。効果的に活用すれば、今までには提供できなかった潜在カスタマーへのアプローチも可能です。
しかし過去のデータに基づく顧客ニーズや行動履歴に基づく配信のため、分析や対策を怠ったり、プライバシーを軽視したりすれば、費用対効果が期待できないだけでなく、企業イメージにダメージを与えるデメリットもあります。
プライバシーポリシーを遵守し、潜在カスタマーであるユーザーにマッチした最適化された広告を提供して売上につなげましょう。

