Excelでデータがコピーできない時の原因と対処・解消方法

私たちがパソコンの機能でよく使うのはコピー&ペースト、通称コピペの機能ではないでしょうか。エクセルを使っている仕事をしている方は多く、ショートカットのコピー「Ctrl+C」、ペースト「Ctrl+V」もおなじみです。
Excelでコピー&ペーストができない原因には、パソコンが重たくて固まっているだけのものから、Excelの共有設定や保護のせいでコピーできないものまで様々あります。エクセルでコピペができなくなる原因と簡単にできる対処方法をいくつか紹介します。

ExcelでデータがコピーできないパートⅠ エクセルのバージョンが違う!

コピー元と貼り付け先のExcelのofficeバージョンが違う場合、「コピー領域と貼り付け領域のサイズが違う~~~」とエラーメッセージが表示されます。昔から使っていた会社のデータなどに、新しいバージョンのExcelからデータをコピペする場合によく起きます。
エクセルはバージョン2007になるときに大きな仕様の変更がありました。それによって2003以前は256列(縦)、65,536行(横)、2007以降は16,384列(縦)、1,048,576行(横)とシートの行列数が大きく変わっています。当たり前ですが行(縦)列(横)数の少ない古いエクセルに、それより大きなデータは入りません。貼り付け先の行(縦)列(横)数に収まるよう、範囲を選択して貼り付ける必要があります。コピペできる範囲を確認して貼り付ければ問題ないのですが、今後のことを考えるとファイルを新しいバージョンに変換するのがおすすめです。

エクセルをバージョンアップするには?

Excelをバージョンアップするには「xlsx」(2007以降の拡張子)が使えるパソコンで「xls」(2003以前の拡張子)を開きます。拡張子が表示されていない場合は、エクスプローラーの表示タブで「ファイル名拡張子」にチェックを入れます。「xls」を開くとファイル名に「互換モード」と表示されているので、ファイルタブを選択します。情報の画面を出したら一番上にある「変換」を選択します。ファイル変換時にレイアウトが変わる場合もあるので、元データのコピーを取っておくことも忘れずに。

ExcelでデータがコピーできないパートⅡ シートまたはブックに保護がかかっている!

エクセルのブックかシートに保護がかかっているパターンです。「変更しようとしているセルやグラフは保護されているシート上にあります。変更するにはシートの保護を解除してください。パスワードの入力が必要な倍もあります。」などのエラーメッセージが出ます。「校閲タブ」の中の「シートの保護の解除」をクリックすると解決するはずです。

ExcelでデータがコピーできないパートⅢ ブックに共有の設定がされている!

表の作り方~Excel見やすい表のテクニックと編集方法~

仕事で複数の人が同じファイルを使う場合、ブックに共有設定をすることがあります。この機能を使うとデータの変更の履歴なども記録されるため、大変便利な機能です。ファイル名に[共有]と表示され、不必要な変更ができない設定がされています。そのためシートの削除やコピーなどの操作をするためには最初に共有設定を解除する必要があります。共有設定を解除するには、校閲タブのブックの共有を開き、「複数のユーザーによる同時編集と、ブックの結合を許可する」のチェックをはずせば出来ます。

ExcelでデータがコピーできないパートⅣ 保護ビューで開かれている!

保護ビューで開かれているのは最も多く目にするパターンかと思います。インターネットからダウンロードしたファイルは基本保護ビューで開かれ、シートやセルの編集ができない状態になっています。安全が確認できているファイルであれば、画面に表示される「編集を有効にする」またはファイルタブの「情報」から「編集を有効にする」を選択します。保護ビューは印刷設定などの機能が制限されるので、解除方法は覚えておきましょう。

ExcelでデータがコピーできないパートⅤ コピー先に同じ名前のファイルがある!

パソコンでは同じフォルダの中に同名データを保存できません。エクセルのブック名やシート名、範囲に設定する名前も同様です。名前が非表示になっていて気付かないケースが多いようです。ブックに設定されている名前の確認は数式バーの左にある名前ボックスで確認できます。コピー元の名前は削除する必要があります。手順は「数式」タブ、「名前の管理」を選択し重複している名前を選択して全て削除します。この操作でコピー先のブックにシートをコピーすることができます。

ExcelでデータがコピーできないパートⅥ 貼り付け先またはコピー元が結合セル!

貼り付け先かコピー元に結合セルが含まれる場合、コピペしようとすると「この操作は結合したセルには行えません」というエラーメッセージが表示されます。気軽にコピーを使うようになったときによく現れます。この場合は結合しているセルを右クリックして「セルの書式設定」を選択し、「配置」→「文字の制御」の中にある「□セルを結合する」のチェックを外します。これでセルの結合が解除され、コピペ可能になります。

Excelでデータがコピペできない時の原因と対処・解消方法まとめ

いくつかのパターンの原因と対処、解決方法を紹介しましたが、まだまだいろいろなパターンに遭遇することと思います。エクセルが重くて固まっているだけ、ショートカットキーの押し間違いなど、あとで笑い話になるような簡単なケースから、エクセルの機能を知る良いきっかけになるパターンもあります。仕事で活用する機会の多いエクセルだからこそ、原因と対処、解消方法の発見を楽しむ気持ちで臨めるといいですね。