「データ分析の仕事に資格の取得は必要なの?」と疑問を持っている人はいませんか。データ分析に資格は必須ではありませんが、資格取得の勉強をするとメリットがたくさんあります。
また、資格の取得を検討する場合、データ分析関連の資格は多く選ぶのが難しいです。せっかく勉強するなら、自分のレベルに合った仕事に役立つ資格を選びたいですよね。
この記事では、データ分析に役立つおすすめの資格を12種類解説します。定番の国家資格から、近年注目を浴びているAI関連の資格まで、役立つ資格を抜粋しています。資格を取得するメリットや勉強方法も詳しく紹介しますので参考にしてください。
目次
データ分析スキルが必要な仕事とは?
データ分析スキルが必要とされる仕事は多く、幅広い職種で役立ちます。今回はデータ分析を専門的に取り扱うデータアナリストとデータサイエンティストの2つを取り上げて紹介します。
データアナリストとデータサイエンティストは「データ分析を専門とする仕事」という共通点があり混同されがちですが、業務と使う技術に違いがあります。データアナリストはデータ分析に加えビジネススキルも重要ですが、データサイエンティストは高度な統計スキルやAIなどの機械学習に特化した専門性が求められます。
データアナリストとデータサイエンティストの業務の特徴を詳しく解説していきます。
データアナリスト
データアナリストの仕事は統計の手法やデータ分析ツールを活用し、データ分析を通じて問題解決に取り組むことです。
売上データや顧客アンケートを統計分析して、数字の傾向や問題点を見つけるのがデータアナリストの仕事です。データ分析の結果をまとめてビジネスへの提案を行うため、データ分析をするだけでなく、わかりやすくまとめて説明するスキルも必要です。
また、企業に向けて経営課題の解決策を提案するコンサルティングの役割を担うこともありますので、データ分析知識のほかに経営の知識が役立ちます。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、データ分析の手法として統計学やAIなどの機械学習を用いて、法則性や関連性といった有益な情報を抽出する仕事です。
例えば、商品の売上を予測するモデルや顧客離れなどの行動を予測するモデルを作成します。深い専門性と高精度な分析力が求められ、データアナリストの仕事と比較してより複雑なデータ分析を行います。また、大量のデータ(ビッグデータ)を処理したり、複雑なアルゴリズムやデータ処理技術を使います。
データ分析のほかにも、データ収集や整理、データ分析のアルゴリズムの開発をすることもあります。
データ分析の資格を取得するメリット3つ
データ分析の資格を取得すると、現在の業務や将来のキャリアパスで多くのメリットが得られます。データ分析の勉強を始める初級者なら資格取得を目指すのがおすすめです。ここでは3つのメリットを解説します。
実務に即したデータ活用ができる
データ分析の手法やツールの使い方など、実務に役立つスキルを体系的に学べます。試験には実践的な内容が含まれることが多いため、資格の勉強をすると実際の業務でも役立つ即戦力の知識が身につきます。
業務効率化に貢献できる
データ分析の知識やスキルが身につくと、業務で発生している課題や問題点の原因を分析するスキルが身につきます。データ分析の結果を活用することで、あらゆる業務を効率化できます。
キャリアアップに役立つ
データ分析スキルは、業界を問わず需要が高まっています。資格を取得すると専門性の高さを会社に証明できます。未経験者や転職希望者がデータ分析の仕事でキャリアアップする時に有利です。また、業務改善や意思決定に役立つデータ活用スキルは、社内の評価も向上しやすいでしょう。
データ分析におすすめの資格12選
データ分析に関する資格は種類が多く、統計、データサイエンス、データベースなど、それぞれの分野に特化した試験が揃っています。
おすすめの資格12種類を、身につくスキル別に詳しく解説していきます。
統計の知識・スキル
データ分析スキルの中でも、統計の知識は特に重要です。統計を活用すると、正確なデータ分析ができビジネス上の意思決定に役立ちます。
統計検定
統計検定はデータ分析をビジネス上の問題解決に活かす能力が習得できます。初級者はまず3級を目指すのがおすすめです。2級の取得を推奨している企業もあります。1級は高い専門性が必要で、高く評価される人気の資格です。データサイエンティストの求人では「統計検定1級相当の統計知識」を条件としていることが多いです。
資格 | 統計検定 |
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実施機関 | 統計検定協会 |
試験時期 | 4級、3級、2級:年2回(6月、11月)準1級、1級:年1回(11月) |
試験形式 | 4級、3級:オンライン 2級、準1級、1級:会場試験 |
合格基準 | 60%以上 |
受験費用 | 4級:¥4,000、3級:¥5,000、2級:¥7,000、準1級:¥10,000、1級:¥15,000 |
難易度 | 初級〜上級 |
統計士・データ解析士
文部科学省認定資格で通信教育による学習が必須です。統計の基礎知識を活用して、実務で使用する統計技法の知識が身についていることが証明できます。
資格 | 統計士・データ解析士 |
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実施機関 | 一般財団法人日本統計学会 |
試験時期 | 年2回(6月、12月) |
試験形式 | 記述式 |
合格基準 | 60%以上 |
受験費用 | 統計士:¥10,000、データ解析士:¥8,000 |
難易度 | 中級〜上級 |
アクチュアリー資格試験
保険数理士や保険数理人と呼ばれるアクチュアリーになるための資格です。確率、統計などの知識が習得できます。数学や会計・経済・投資関連の知識も問われ、ビッグデータ活用に役立つスキルが身に付きます。
資格 | アクチュアリー資格試験 |
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実施機関 | 日本アクチュアリー会 |
試験時期 | 年1回(12月) |
試験形式 | 筆記試験 |
合格基準 | 非公表 |
受験費用 | 科目ごと約¥10,000〜¥12,000 |
難易度 | 保険・金融業界の専門職向け |
データサイエンス・機械学習に関する知識・スキル
顧客行動の予測や異常検知をするなど、大量のデータ分析に使えます。データ分析から迅速かつ効果的に意思決定を支援できるようになるのでおすすめです。
G検定・E資格
G検定はディープラーニングの基礎と活用スキルが学べます。E資格はエンジニアにおすすめの資格です。AIを実装するのに役立つ知識やスキルが身に付きます。
資格 | G検定、E資格 |
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実施機関 | 日本ディープラーニング協会(JDLA) |
試験時期 | G検定:年3回(3月、7月、11月)E資格:年2回(2月、8月) |
試験形式 | G検定:オンライン、選択式 E資格:指定講座の受講後、会場試験 |
合格基準 | 非公表(総合評価) |
受験費用 | G検定:¥13,200 E資格:¥33,000(別途指定講座受講) |
難易度 | G検定:基礎知識 E資格:実務応用 |
CBASデータ分析実務スキル検定
CBASは個人のスキル証明や、企業内のデータ分析スキル評価試験として活用されています。PM級は、データ活用を推進する人材としてのスキルと知識が証明できます。Citizen級は、Excelを使ってデータの整形・加工、適切なデータ分析をするスキルが問われます。
資格 | CBASデータ分析実務スキル検定 |
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実施機関 | 日本統計学会CBAS委員会 |
試験時期 | 年2回(6月、12月) |
試験形式 | オンライン |
合格基準 | 70%以上 |
受験費用 | ¥5,500 |
難易度 | 初級~中級 |
データサイエンティスト検定リテラシーレベル(DS検定)
2021年から実施している新しい資格検定です。データサイエンティストとしてのスキルレベルを、4段階で評価しています。 レベルに応じたデータ分析能力を証明できます。初級者の受験もおすすめです。
資格 | データサイエンティスト検定リテラシーレベル |
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実施機関 | 日本ディープラーニング協会(JDLA) |
試験時期 | 年2回(5月、11月) |
試験形式 | オンライン、選択式 |
合格基準 | 70%以上 |
受験費用 | ¥7,700 |
難易度 | 初級 |
ビジネス・データ活用の知識・スキル
ビジネスやデータ活用の知識があると、データ分析の結果をビジネス戦略や業務改善に活かせます。単なるデータ分析にとどまらず、実際のビジネスに貢献が可能です。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
IT基礎知識が習得できる国家試験で経済産業省が認定しています。基本情報技術者試験はプログラミングなどの基本的な知識の証明ができます。基礎が習得できるため、他の方向性を確立しデータ分析学習にも役立ちます。応用情報技術者試験は、高度IT人材の証明ができ、プロジェクトマネジメントなど上流工程に必要なスキルの証明となります。
資格 | 基本情報技術者試験(FE)、応用情報技術者試験(AP) |
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実施機関 | 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) |
試験時期 | FE:年2回(4月、10月)AP:年2回(4月、10月) |
試験形式 | CBT |
合格基準 | 合計得点60%以上 |
受験費用 | 各試験¥7,500 |
難易度 | FE:IT基礎レベル AP:中級ITエンジニア向け |
ビジネス統計スペシャリスト(エクセル分析ベーシック)
ビジネス統計スペシャリストは、データ分析の実践に重点を置いた資格です。Excelを使用した業務で活用できるデータ分析スキルと、分析結果を応用する能力を証明できます。
資格 | ビジネス統計スペシャリスト(エクセル分析ベーシック) |
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実施機関 | 日本商工会議所 |
試験時期 | 随時 |
試験形式 | オンライン、選択式 |
合格基準 | 70%以上 |
受験費用 | ¥7,000 |
難易度 | 初級 |
データ分析・データベース関連の知識・スキル
データベースやSQLなどに精通していると、大量なデータを効率的に扱うデータ分析ができます。また、データ分析の精度を高めることもできます。
Python3エンジニア認定データ分析試験
Pythonを使ったデータ分析の方法を問う試験です。Pythonの基礎だけでなく、数学の知識や、ライブラリによる分析実践が問われます。Pythonはデータ分析と相性が良く、注目されているプログラミング言語の一つです。
資格 | Python3エンジニア認定データ分析試験 |
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実施機関 | 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 |
試験時期 | 随時(CBT試験) |
試験形式 | オンライン、選択式 |
合格基準 | 70%以上 |
受験費用 | ¥5,500 |
難易度 | 初級~中級 |
オラクルマスター
「Oracle Database」の管理スキルを証明できる資格です。海外でも認定されており国際的にスキル証明をしたい方におすすめです。難易度は4段階あり、データ分析業務の役割やレベル別に学ぶことができます。
資格 | オラクルマスター |
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実施機関 | Oracle Japan |
試験時期 | 随時 |
試験形式 | オンライン(CBT)、選択式(一部実技・論述) |
合格基準 | 60%以上 |
受験費用 | Bronze:約¥15,000 Silver:約¥23,000 Gold:約¥30,000(コース受講料別途)Platinum:コース受講料に含む |
難易度 | 初級~上級 |
データベーススペシャリスト試験
「情報処理技術者試験」の試験区分のひとつで、基本・応用情報技術者試験よりも高度なレベル4に分類される試験です。データベースに関する高度な知識が問われ、データベース企画・要件定義・開発、さらに運用・保守のスキルが証明できます。難易度の高い国家資格のため、企業からの評価が高いのが特徴です。
資格 | データベーススペシャリスト試験 |
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実施機関 | 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) |
試験時期 | 年1回(4月) |
試験形式 | CBT、記述式 |
合格基準 | 合計得点60%以上 |
受験費用 | ¥7,500 |
難易度 | 上級 |
OSS-DB技術者認定試験
オープンソースのデータベース構築、管理、運用に関する知識が問われます。データベースのスキルはデータ分析の基礎として役立ちます。
資格 | OSS-DB技術者認定試験 |
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実施機関 | LPI-Japan |
試験時期 | 随時 |
試験形式 | オンライン、選択式(CBT) |
合格基準 | 60%以上 |
受験費用 | Silver:¥12,000 Gold:¥15,000 |
難易度 | 初級~中級 |
データ分析の資格の学習方法
データ分析の資格の学習方法には主に、書籍で独学、オンラインで学習する、スクールに通うの3つがあります。
それぞれのメリットとデメリットを解説します。
書籍で独学
データ分析に関する資格の学習方法には、書籍で学ぶという方法があります。メリットは費用が安く、自分のペースで学べることです。日中に通学できない社会人にもおすすめです。デメリットは質問できる環境がないことです。疑問点が解消できず、学習を継続できない可能性があります。
オンラインで学習する
データ分析の資格の勉強方法の2つ目はオンライン学習です。Udemyのようにコンテンツが豊富なサイトや、総務省統計局が作成している無料で学べる「データサイエンス・オンライン講座」もあり比較的低価格で学べます。デメリットは、自己管理が求められることや、コンテンツによっては高い費用がかかる点です。
スクールに通う(大学・専門学校)
大学や専門学校に通う学習方法を選ぶと、専門知識が豊富な講師から直接指導が受けられるためデータ分析のスキルアップがしやすいです。また他の学生と交流があり資格取得に向けて学習意欲が維持しやすいです。デメリットは通学時間が必要になることや、費用が高くなることがあります。
まとめ
データ分析の資格について、おすすめの資格や取得のメリット、勉強方法を詳しく解説しました。近年のAI技術の進歩により、データアナリストやデータサイエンティストのようなデータ分析の仕事の需要はますます高まっています。
データ分析の資格勉強は自分の学習の助けになるだけでなく、企業にスキルを証明できる有効な手段です。積極的にチャレンジしてみてください。