伝統職人の技とテクノロジーのコラボ!最新の融合商品事例10選

伝統職人の技とテクノロジーのコラボ!最新の融合商品事例10選

伝統職人の技とテクノロジーのコラボ!最新の融合商品事例10選

近年、日本に古くからある伝統の職人技術と現代の最新技術を活かしたコラボレーションが行われています。

伝統の技法を活かしながら、現代商品と融合することで時代のニーズに合う商品に発展を遂げ「3D技術を活用した陶芸」「桶の制作方法で作られたIH対応の燗徳利」など、日常生活で利用する商品に活かされています。

今回は、熟練の職人技術と現代テクノロジーを融合させた最新商品を10選しました。

伝統職人の技の魅力とは?

伝統職人の技は織物や染色品、漆器など多岐にわたり日本各地の地域で継承され主に伝統工芸品に生かされています。

伝統工芸の魅力は主に以下の3点が挙げられます。

  1. 地域ならではの特徴を持っている
  2. 独自のデザイン性
  3. SDGsの目標を体現しているものが多い

※「SDGs」とは持続可能な開発目標のことで、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
参考:SDGsとは?

伝統工芸品は日常生活で使用されるものが多いので使いやすく壊れにくい、職人の手でひとつずつ手作業で作られるため唯一無二の作品になり、長く使えることを考慮されているので環境にも優しいという魅力があります。

それでは、次に伝統工芸品と現代商品がコラボレーションした事例を紹介いたします。

職人技術と最新テクノロジーのコラボレーション10選

1.陶芸×3Dプリンター

1.陶芸×3Dプリンター

Digital陶芸

「デジタル陶芸プロジェクト」では3Dプリンターを用いた陶器を作り上げる製作を行っています。

3Dデータを駆使して陶器の形を整え、3Dプリンターで作品を造形していきます。
その後の工程は従来の陶器作りの伝統的な方法で制作しています。

通常の陶芸は手やへらを使って作品を形作っていきますが、デジタル陶芸は3Dモデリングソフトウェアなどを使用しマウスやタブレットで形を整えるので失敗を恐れずに変形をしていくことができ、データとして保存するので変形前の形に戻すことも可能です。

3Dデータを用いれば、人の手作業では時間を要する造形もデジタルの力で効率よく生産することができます。伝統技術と現代技術、双方のメリットを活かした事例です。

2.木工芸×IH

2.木工芸
”GO ON × Panasonic Design”

京都にて、伝統工芸を継承している職人たちのプロジェクトユニット「GO ON」と代表的な家電メーカーのパナソニックがコラボレーションしたプロジェクト。
このプロジェクトでは茶筒や焼物、木工芸などの家電がコラボレーションしています。

例えば、桶の製作技法でつくられたIH対応の木製の燗徳利。
こちらは中川木工芸の伝統的な技法を進化させ、IHを利用した温度制御が可能になり、「人肌燗」「ぬる燗」「上燗」といったそれぞれのお酒にあった最適な呑み頃で提供できることが特徴です。

伝統技術と現代で身近な家電をコラボレーションすることで相乗効果を生み出した事例になります。

3.藍染×バック

3.藍染×バック
JIMMY CHOO × BUAISOU.

世界で注目を集める藍の作り手 「BUAISOU」と、21世紀を代表するラグジュアリー・アクセサリーブランドの「ジミー チュウ」がコラボレーションしています。

藍染めは天然染料のため一般的な化学染料とは染まり方が変化し、使えば使うほど表情が出て経年変化の風合いも楽しめるのが特徴です。
その藍染めの技術をジミーチュウを代表するアイコニックなアイテムを中心にシューズやバックなどに用いられています。

シューズやバックなどの日用品を、「藍染」の技術を用いることによってより長く使い続けられるように工夫したサスティナブルな事例と言えるでしょう。

4.江戸切子×スターバックス

4.江戸切子×スターバックス
[JIMOTO made Series]

ガラスの表面に切り込みを入れて繊細な文様を出す江戸切子と、コーヒーストアのスターバックスがコラボレーションしています。

こちらはスターバックスが展開する「JIMOTO made Series」の商品の一つで、江戸切子の職人によって一つ一つ手作業で作られており、東京墨田区のスターバックス限定店舗で販売されています。

江戸切子の涼しげで粋な魅力だけではなく、スターバックスらしいオーダーシートの柄もありユニークです。

その地域の活性化や伝統継承をねらいとした、職人の伝統の技を活用した事例と言えるでしょう。

5.和紙×雑貨

5.和紙×雑貨
SIWA

軽くて風合いのある和紙は材料として、身の周りの雑貨に用いられています。

山梨県市川大門の和紙メーカー「大直」は、和紙を用いて身の周りのものを作り出すシリーズ「SIWA | 紙和」をつくりました。

しなやかで肌触りの良い和紙の魅力はそのまま、水に濡れても破れない耐久性を実現させ、コインケースやバックなどに活用しています。

使い勝手がよくなるよう改良を行うことで、和紙の良さを活かした商品の発展に繋がった事例になります。

6.今井金箔×ネイル

 6.今井金箔×ネイル
hakuiro

厚み1万分の1㎜という取り扱いが難しい金箔。
ネイルに金箔を混ぜることによって手軽に扱えるようコラボレーションしました。

「hakuiro」のclearシリーズは金沢箔を使用したジェルネイルブランド。
使用している縁付金箔は、ユネスコ無形文化遺産に製造技術が登録されています。
金箔を加えることでさりげないアクセントになり、より一層華やかな仕上がりになります。

手軽で身近な商品と組み合わせることで、扱いが難しいイメージのある金箔の敷居を下げることに成功したコラボレーションの事例です。

7.伝統工芸×プラレール

7.伝統工芸×プラレール
伝統工芸×プラレール

日本を代表する伝統工芸「江戸切子」「箱根寄木細工」「京都竹工芸」「漆塗り」と鉄道玩具の「プラレール」がコラボレーションしました。

例えば、異なる樹木の色を活かし組み合わせることで様々な幾何学模様を作り出す箱根寄木細工。

その寄木細工を「花火」というテーマから鮮やかな色彩のイメージを得て、様々な色の樹木を使い美しく見せることで魅力的なデザインになるよう工夫されています。
また寄木の柄は花火が上がった時の花開く様を表現しており、モダンで緻密な模様になっています。

日本人が古くから親しんできた工芸品をおもちゃを通じて子供たちに知ってもらうことで、さらに魅力を再発見できる事例です。

8.有田焼×コーヒーフィルター

8.有田焼×コーヒーフィルター
セラフィルター

コーヒーを抽出する際に必要不可欠なコーヒーフィルター。
「セラフィルター」はフィルターを「有田焼」と融合させた商品になります。

こちらの商品は、本体に目には見えない程の無数の小さな穴が空いていることで上から液体を注ぐことによりフィルターやろ過機として使用することができます。
また、水洗いで繰り返し使用することができ廃棄物の削減になります。

伝統工芸の技術を全く異なる視点から融合させることにより、新しい商品の開発に繋がった事例です。

9.越前漆器×名刺入れ

9.越前漆器×名刺入れ
土直石器

1500年の伝統の歴史をもつ福井県鯖江市の越前漆器を手がける「土直漆器」は、古来よりある伝統的な技法を使用し生活雑貨を手がけています。

土直漆器のブランド「VYAC(ビャク)」では「白檀塗」という職人技術を使用し、普段使いの多い名刺入れやスマホケースなどに用いることで、使い続けるうちにさらに色合いよくなじみ味が出てくるのが特徴です。

食器や箸などに活かされていた「塗り」の技術を、従来とは異なる名刺入れやスマホケースなどに用いることで活用の幅を広げた事例です。

10.雪駄×スニーカー

10.雪駄×スニーカ
unda-雲駄-

祭りなどで活躍する日本の伝統的な履物「雪駄」と、現代商品の「スニーカー」をコラボレーションした「unda(雲駄)」。

雪駄の機能的な形状はそのままに、スニーカーソールを組み合わせることで歩きやすく安定した歩行とデザイン性の優れた
商品です。

履物という同じジャンルの伝統工芸と現代商品を融合させることで、機能性やデザイン性を向上させた事例です。

まとめ

伝統工芸品を作る職人の技術は、形を変え発展しながら特徴を活かし現代に受け継がれていました。

伝統工芸品の魅力である「地域ならではの特徴」「独自のデザイン性」「SDGsの目標に該当している」特徴は現代商品が組み合わさることで今後も私たちの身近に増えていくでしょう。