物事の原因を究明する際にどのように究明していますか?
チャート分析にはマインドマップをはじめ、ツリーダイヤグラムなど様々な分析方法を耳にした方も少なくないと思います。
今回はその中でもフィッシュボーン(特定要因図)と呼ばれるチャート分析方法をご紹介していきます。
また、分析の仕方だけではなく画像をつかって手順を追いながら段階別に作り方も解説していきますので、参考にして戴けたらと思います。
フィッシュボーンとは何か?
【フィッシュボーン(特性要因図)】
前述でも紹介した通りチャート分析の手法のひとつであり、物事の原因を究明する際に効果的な方法で和名では特性要因図と呼ばれています。
フィッシュボーン(特性要因図)では結果である特性がどのような原因をもってそうなったのかをビジュアライズしたもので図式を見れば、一見して問題点がなにかを知ることができます。
ちなみにフィッシュボーンの起来は、1953年に日本の東京大学名誉教授・東京理科大学教授・東京都市大学長を務めた石川馨(かおる)氏が特性要因図を考案したのが始まりだと言われています。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フィッシュボーンのメリット
フィッシュボーンのメリットとして挙げられるのは、得てしていた結果に対し得られなかった原因をきちんとミクロ単位で知ることができるのが最大のメリットです。
また、フィッシュボーンを見て分析することだけではなく問題解決・課題解決をしていく際、
『うっかり本質的な原因から脱線してしまった・・・。』
『頭で考えていたけれどもごちゃごちゃになってわからなくなってしまった・・・。』
という風にならないために、
先に結果や目標を自身で設定し、フィッシュボーンを作成しながら段階的に原因を整理していくことも効果的な使用方法になると思います。
また、フィッシュボーンをつかっていくと結果に対して原因が視覚的にわかりやすいので組織的に複数人で情報を共有する場合にも優れています。
分析図の作成を繰り返し、繰り返し行っていくことで情報が蓄積されていき、情報資産にもなっていきます。
フィッシュボーンの構造
フィッシュボーンは大きく分けて以下4つのパーツで構成されています。
・特性:魚の頭部。解決すべき課題や目的・目標。
・背骨:矢印が頭に向かえば向かうほど直接的な要因になる。特性と大骨を繋ぐ(つなぐ)。
・大骨:※4M、※3C、※4Pなどのフレームワークなど主要素となる各要因から背骨に対して伸びる矢印線。その他の派生に5M、5M+1などをつかうこともある。
・小骨:大骨から伸びる線。大骨に影響する項目を列挙している。
なるべくであれば、マインドマップと同様に3項目は最低限、挙げることが望ましい。
小骨を更に細分化して【孫骨】とすることもあります。
孫骨をフィッシュボーンに加えるにより原因を更に解析することが可能です。
※4M:製造業の業務改善の上で変更管理につかわれるフレームワーク
- Man(人的要因)
- Machine(機械・設備)
- Method(方法・仕組み)
- Material(材料)
※3C:マーケティング環境分析でつかわれるフレームワーク
- Customer(顧客)
- Company(自分の会社)
- Competitor(競合他社)
※4P:マーケティングミックスとも呼ばれるマーケティング施策につかわれるフレームワーク
- Product(製品)
- Price(価格)
- Promotion(広告)
- Place(流通)
フィッシュボーンの分析のやり方
フィッシュボーンをつかった分析のやり方を詳しく解説していきます。
例題:【不良品が増加してしまったので原因を分析していく】
このあと実際に例題をもとに手順を追っていきながら段階的にフィッシュボーンを書いていきます。
紙を用意しサイトを読みながら、一緒に書いていくとよりわかりやすいと思います。
特性と背骨をつくる
左右どちらでも構いませんが、横倒しになっている魚の骨をイメージするような形状で魚の頭部に問題となっている『特性』を書いていきます。
次に、書いた頭の部分に向けて長い矢印をまっすぐに引き背骨をつくります。
尚、今回は一般的につかわれることが多い右向きに倒れていて、特性が右側に書かれている分析図をつくっていきます。
※図では特性と背骨を水色で書いています。
大骨をつくる
まず始めに、特性に対してパッと思いつく原因を前の項目で解説したフレームワークをつかって書いていきます。更に背骨に向かって項目から矢印を書いていきます。
※図では大骨を水色で書いています。
小骨をつくる
大骨に対しての課題点や問題点を書いて大骨に向かって矢印を書いていきます。
ここでのポイントは、連想ゲームのような感覚で最低でも各項目に3項目以上は書いていくことです。
必要に応じて更にミクロ単位での分析を行うため、孫骨を書き足していくのも効果的です。
完成した分析図を確認していき、特性に対し悪影響を及ぼしている大きな問題点を赤く囲ったりしてピックアップします。
ここでピックアップしたものが改善していかなければいけない問題点です。
※図では小骨を黄色で書いています。
フィッシュボーンを書く時のコツ
先に結果や目標を自身で設定し、フィッシュボーンを作成しながら段階的に原因を整理していくような書き方をする場合はなるべく右隅に特性を書き、
左隅から対角線上に長く背骨をかくことをおすすめします。
これは下段から上段へと時系列を明確にするためです。
項目ごとに原因を書いていく際は漏れがないように気を付けましょう。
また、重複(ダブり)を見つけた際や共通項を見つけた場合は重要な問題となる可能性が高いので赤丸を付けて項目ごとに赤線で結びます。
特に大骨を書く際には、小骨をたくさん書いていくために十分なスペースを空けましょう。
最後に最も注意すべきことは、主観ではなく【客観的に視た事実】として書いていくことです。
これがブレてしまうと正確性が欠けてしまい、分析図としての効果が著しく下がってしまいますので最も注意が必要です。
※図では孫骨を黄緑、重要な問題点や共通項を赤丸で囲っています。
まとめ
みなさんいかがでしたか?
フィッシュボーン(特定要因図)については学ぶことができましたか。
私自身も耳にしたことがあるけど何か難しいなと感じていたひとりだったので、リサーチしていく中で個人的な事柄でも使っていけそうだなという実感が湧きました。
何より日本で発案されたと言われていることを知った時、嬉しかったです。
複雑に絡み合っている物事をひとつひとつ紐解きながら整理し分析していく際にフィッシュボーン(特定要因図)を活用して戴けたら幸いです。
それでは、最後まで読んでくださってありがとうございました。