T.DIST関数

Excelでt分布から得られる値を求める「T.DIST」「T.DIST.2T 」「T.DIST.RT」「TDIST」関数

今日もExcelの統計関数上級編の関数をご紹介します!t分布の数値を求めるときに使われる4つの関数、「T.DIST」「T.DIST.2T 」「T.DIST.RT」「TDIST」関数です。読み方が難しいですが、それぞれ「T.DIST(ティー・ディストリビューション)」「T.DIST.2T(ティー・ディストリビューション・ツー・テイルド) 」「T.DIST.RT(ティー・ディストリビューション・ライトテイルド)」「TDIST(ティー・ディストリビューション)」関数と読みます。

t分布というのが何かというと、母分散がわからない場合に区間推定を行う時に使う分布のことです。と言っても初心者の方はいまいちピンとこないかもしれませんね…。例えば、日本人女性の平均体重が55Kg以上あるかどうか、を統計的に結論付けたい、という時などに使う物になります。

t分布を使うと何がわかるの?

Excelの「T.DIST」「T.DIST.2T 」「T.DIST.RT」「TDIST」関数では、t分布を使って得られる値を求めることができるのですが、「t分布」というものがどのような場面で使われるものなのかを確認しておきましょう。

そもそもt分布というのは、連続型の確率分布で母集団(正規分布に従う)の平均や分散がわからないなかで平均値を推定したい場合に使われるものです。自由度という値によって分布は微妙にかわっていて、自由度が大きくなれば大きくなるほど正規分布に近づいた形になるとされています。

t分布は平均が分からないときに統計的な結論を理由付けするのに使うもの

t分布というのがイメージできない…という人の方が多いと思うので、そこを補足していきます。先ほどあげた例で、例えば、日本人女性の平均体重が55Kg以上あるかどうか、を調べたいときに使うというイメージです。具体的に平均体重がいくつなのかは分からない…(体重は全国民を調べたら分かるかもしれませんが…)、何かの分析をするためなどに55Kg以上あるかどうかを調べたい…。そういったときに使える分布なのですね。
自由度が大きくなれば正規分布に近づく形になるので、その証明したい推測が正しいと言えるのかどうかをt分布を使って判断することができるということです。

T.DIST(ティー・ディストリビューション)関数の使い方

では、T.DIST(ティー・ディストリビューション)関数を実際に使ってみましょう。引数の中で確率密度関数の値を求めたいのか、累積密度関数の値を求めたいのかを指定して使います。

T.DIST(ティー・ディストリビューション)関数で使う引数と指定方法

=T.DIST(調べたい値、自由度、求めたい関数の形式)
例えば、
『=T.DIST(0.5、2、FALSE)』と入力すると、「0.29」という数値が出てきます。これが確率密度関数で求められる値ですね。
同様に、『=T.DIST(0.5、2、TRUE)』と入力すると、「0.66」という数値が出てきます。これが累積密度関数で求められる値ですね。

T.DIST.2T (ティー・ディストリビューション・ツー・テイルド)関数の使い方

では、T.DIST.2T (ティー・ディストリビューション・ツー・テイルド)関数を実際に使ってみましょう。T.DIST.2T (ティー・ディストリビューション・ツー・テイルド)関数は具体的には、t分布の両側分布の値を求められます。

T.DIST.2T (ティー・ディストリビューション・ツー・テイルド)関数で使う引数と指定方法

=T.DIST(調べたい値、自由度)
例えば、
『=T.DIST.2T(3.9、2)』と入力すると、「0.0599」という数値が出てきます。これが確率密度関数で求められる値ですね。
同様に、『=T.DIST(0.5、2、TRUE)』と入力すると、「0.66」という数値が出てきます。これは「3.9」という値が分布の端の約6%の値の範囲に入るということですね。

T.DIST.RT(ティー・ディストリビューション・ライトテイルド)関数の使い方

では、T.DIST.RT(ティー・ディストリビューション・ライトテイルド)関数を実際に使ってみましょう。T.DIST.RT(ティー・ディストリビューション・ライトテイルド)関数はt分布の右側累積分布関数の値を求めることができます。

T.DIST.RT(ティー・ディストリビューション・ライトテイルド)関数で使う引数と指定方法

=T.DIST.RT(調べたい値、自由度)
例えば、
『=T.DIST.RT(0.5、2)』と入力すると、「0.33」という数値が出てきます。右側分布なのでT.DIST関数で求められる数値を足すと100%になるようになっています。

TDIST(ティー・ディストリビューション)関数の使い方

では、TDIST(ティー・ディストリビューション)関数を実際に使ってみましょう。引数の中で片側分布を求めるか両側分布を求めるかを指定することができる関数です。T.DIST関数と非常に似ていますが、結果として出てくる値は別物なんですね。

TDIST(ティー・ディストリビューション)関数で使う引数と指定方法

=TDIST(調べたい値、自由度、片側か両側かの指定)
例えば、
『=TDIST(1.2、2、1)』と入力すると、「0.17」という数値が出てきます。これが片側分布から得られる値ですね。
同様に、『=TDIST(1.2、2、2)』と入力すると、「0.35」という数値が出てきます。これが両側分布から求められる値ですね。確かに片側の2倍になっていますね。

Excelでt分布から得られる値を求める「T.DIST」「T.DIST.2T 」「T.DIST.RT」「TDIST」関数 まとめ

今回もExcelの中でも多くある統計関数の中から、上級編の「T.DIST」「T.DIST.2T 」「T.DIST.RT」「TDIST」関数をご紹介しました。何かを分析する際には必ずしも数値が明確にわかっているとは限らないため、推定する値が近いのかどうか(正しいのかどうか)を判断するための分布が必要になるということですね。それがt分布でした。両側、片側、密度、累積密度…となかなか専門用語のオンパレードでしたが、Excelでも分布で得られる結果を求めることができるということが分かりました!
今回は4つの関数でボリューム多めでしたが大丈夫でしたでしょうか?「T.DIST」「T.DIST.2T 」「T.DIST.RT」「TDIST」関数の解説は以上となります。ありがとうございました!