Excelでマコーレーデュレーションを計算する【DURATIO関数】と固定利付債の修正マコーレーデュレーションを計算する【MDURATION関数】

今回は財務関数について取り上げます。財務関数にもいろいろあります。その中からマコーレーデュレーションを計算する【DURATIO関数】と固定利付債の修正マコーレーデュレーションを計算する【MDURATION関数】をご紹介します。【DURATIO関数】はデュレーション関数と読みます。英語の意味を調べると継続、持続、存続、期限といった意味になるそうです。投資した債券をどれくらいの期間で回収できるかを計算できる財務関数です。【MDURATION関数】はモディファイド・デュレーションと読みます。声に出したら噛んでしまいそうな名前の関数ですね。

関数の説明に入る前に、【DURATIO関数】の説明で出てくるマコーレーデュレーションとは何か気になるという方向けに解説していきます。すでにマコーレーデュレーションとは何かわかっている、もしくは興味がないという方は読み飛ばして関数の説明に進んでください。

マコーレーデュレーションとは何?

調べたところ、マコーレーデュレーションとは債券に投資した金額の平均回収期間のことです。投資家にとって債券に投資した金額がどのくらいの期間で回収できるかというのが、その債券に投資するか判断する重要な材料のひとつになります。投資したお金をどれくらいの期間で回収できるかで、その債券が魅力的か、購入(投資)しようか判断する材料にします。マコーレーさんという方が考えたらしいです。利息のクーポン付き債券は、定期的な利息収入、満期日の債券償還が投資したお金を回収できるタイミングになります。利息の利率が高いほど、受け取る利息金額が大きくなり、投資した金額の回収期間(デュレーション)は短期間(数字が小さく)なります。債権の残存期間が5年なら、基本的に4.8年など5より小さい期間になるということですね。【DURATIO関数】で計算することでどれくらいの期間で回収(収入があるか)できる見込みか知ることができるということです。金融商品の購入を検討しているなら知っておいても良いかもしれない関数です。

修正マコーレーデュレーションとは何?

修正マコーレーデュレーションとは利回りの変化に対する債券価格率の変化の大きさのことです。金利の上昇が予想されるのか、下降が予想されるのかで金融商品を保持するのか売却するのか判断する材料にします。

ちなみに固定利付債って何?

金融商品のひとつで固定利付債というのがあります。最初から利率が決まっており、半年に1回など定期的に利息が支払われる金融商品です。満期まで所有することで安定した収入を得られるというものです。投資家からするとリターンが安定はしていますが金額としては小さいので預金するよりは利率が大きいからいいかなくらいのものなのではないかと思います。元手が大きければもちろん話は別ですが!

【DURATIO関数】の使い方

それではさっそく【DURATIO関数】を使ってみましょう。受渡日、満期日、年利率、利回り、頻度、基準、【DURATIO関数】の計算結果を表示するセルを事前にExcelで作成しておくとわかりやすいです。

【DURATIO 関数】の書き方と引数を確認しよう

DURATIO (受渡日,満期日,利率,利回り,頻度,基準)
= DURATIO (2021/7/1,2026/6/30,3%,5%,1,3)と入力すると「4.699004772」という結果になります。引数の「基準」は省略可能です。約4.69年が平均回収期間という結果になりました。

実際に【DURATIO 関数】を使ってマコーレーデュレーションを計算してみよう

【DURATIO 関数】を使ってマコーレーデュレーションを計算するために、結果がわかるように参考にしたい資料データを事前にエクセルに作成しました。

それではセルB7に
= DURATIO (B1,B2,B3,B4,B5,B6」
を入力しエンターキーでB7に計算結果を表示させます。

B7のセルには「4.699004772」という数値が入っているので
= DURATIO (2021/7/1,2026/6/30,3%,5%,1,3)」とキーボードでB1からB6に入れたのと同じです。

あらかじめExcelで受渡日、満期日が入るセルは西暦もしくは和暦で○年から表示されるようにしておくと期間がわかりやすくていいですよ!

【MDURATION関数】の使い方

【MDURATION関数】は固定利付債の修正マコーレーデュレーションを計算した結果を表示する関数です。利回りの変化に対する債券価格率の変化の大きさを表します。

【MDURATION関数】の書き方と引数を確認しよう

MDURATION (受渡日,満期日,利率,利回り,頻度,基準)
引数だけ見ると【DURATIO 関数】と全く同じですね。同じ財務関数なので使い方も似ています。

実際に【MDURATION関数】を使って修正マコーレーデュレーションを計算してみよう

【MDURATION関数】で修正マコーレーデュレーションを計算したときにわかりやすいように事前にExcelデータで一覧を作成しておきます。

それではセルB7に
= MDURATIO (B1,B2,B3,B4,B5,B6)」と入力。

B7のセルには「4.47524264」という数値が入っているので
= MDURATIO (2021/7/1,2026/6/30,3%,5%,1,3)」と入力したのと同じことになります。

MDURATIO関数の引数にある「利回り」って?

財務関数には耳慣れない利回りという引数があります。利回りとは、投資した金額に対する利子も含めた収益の割合を1年でいくらか出したものになります。回収した利益の割合なので「○%」で表されます。この「○%」の数値が大きい方が、利益率が高いので良さそうですよね。

Excelでマコーレーデュレーションを計算する【DURATIO関数】と固定利付債の修正マコーレーデュレーションを計算する【MDURATION関数】|まとめ

Excel財務関数のひとつ、【DURATIO関数】と【MDURATION関数】。投資した金額の回収期間に加重平均したもので、金融商品の購入の際に目安にしたい数値を計算して表示する関数だということがわかりました。今回は【DURATIO関数】と【MDURATION関数】の引数を全く同じものを使用しましたが計算された結果が異なっていましたね。関数が違うので結果が異なるのは当たり前かもしれませんが面白いですよね。【MDURATION関数】は利回りの変化に対する債券価格率の変化の大きさを表します。利付国債は定期的に利率が見直されるため、利回りに変化が出てきます。その大きさを予想することが【MDURATION関数】でできるというわけです。【DURATIO関数】は債券をどれくらいの期間で投資した分を回収できるかExcelで表すことができます。投資信託など検討しているなら是非一度関数を使って計算してみてほしいですね!