これまでの数値の実績を根拠に将来値を予測できる【FORECAST 関数】【FORECAST.LINEAR関数】

これまでの数値の実績を根拠に将来値を予測できるExcel関数、【FORECAST 関数】と【FORECAST.LINEAR関数】について解説します。

【FORECAST 関数】はフォーキャスト関数、【FORECAST.LINEAR関数】はフォーキャストリニア関数と読みます。

【FORECAST.LINEAR関数】は【FORECAST 関数】の互換性関数で、office2013までは【FORECAST 関数】を使用していましたがoffice2016からは【FORECAST.LINEAR関数】にリニューアルしています。2021年現在office2019やMicrosoft365を利用している場合は【FORECAST.LINEAR関数】の方を利用しましょう。

将来値を予測できるってどういうこと?

【FORECAST 関数】と【FORECAST.LINEAR関数】について将来値を予測できると紹介しました。

これはどういうことだと思いましたか?

これまでの数値の実績から将来どういう値になるかを予測できる関数です。
ということは、将来値を予測できるというのは統計学でよくある回帰分析が関数でできるということなんです。

あとで説明しますが【FORECAST 関数】【FORECAST.LINEAR関数】の引数にはこれまでの実績を表す値を「既知の x」と「既知の y」で参照します。将来のxに対応する将来値yに該当する値を出すことができるんです。

回帰分析は2021年現在MOS資格の試験範囲に入っている回帰分析のグラフでご存じの方も多いかもですね。今後の売上や来場者数・利用者数など定期的にこれまでの数値の実績を把握しているものがあれば、その実績を根拠に関数で将来値を予測でき、統計学に関する関数の中でも非常にわかりやすい関数で利用しやすいと思います。

ちなみに回帰分析って何?

回帰分析って何?と思っているから向けに解説です。回帰分析とは、ある数値同士の変動に関係を調べて、どういう風に変動するか明らかにする統計学の分析の一つです。回帰分析がどういうものか説明するのによく使われるのは身長と体重の関係性です。身長が高ければその分体重も思い可能性が高いですよね。身長が高い人ほど、そのぶん体重の数値が大きくなるという関係性です。要は右肩上がりに増えるという関係ですね。なんとなく回帰分析って何?というのがわかりましたでしょうか。

【FORECAST 関数】の使い方

それではさっそく【FORECAST 関数】を使ってみましょう。
Excelに数値データを入力して準備しておくと結果の確認がしやすいのでおすすめです。

今回は某会社の事業年度とその年の販売数の関係を関数で予測してみます。
画像を参考にセルB2からC24にデータ一覧を作成しておきましょう。

FORCAST関数で使用するデータ

【FORECAST 関数】の書き方と引数を確認しよう

FORECAST (x,既知のy,既知のx)
第10期の販売数の予測を関数で計算してみます。

= FORECAST (10,{152,180,167,154,181,166,153,183,169},{1,2,3,4,5,6,7,8,9})
と入力すると「172.30556」という予測結果になります。

【FORECAST.LINEAR関数】の使い方

続いて【FORECAST.LINEAR関数】を使ってみましょう。
【FORECAST 関数】と【FORECAST.LINEAR関数】は互換性関数です。
当然といえば当然なのですが、関数の引数は全く同じ内容になります。

【FORECAST.LINEAR関数】の書き方と引数を確認しよう

FORECAST.LINEAR (x,既知のy,既知のx)
= FORECAST.LINEAR (10,{152,180,167,154,181,166,153,183,169},{1,2,3,4,5,6,7,8,9})
と入力すると「172.30556」という予測結果になります。

引数をセル参照にした場合だと
= FORECAST.LINEAR (B12,C3:C11,B3:B11)となります。

先ほどの【FORECAST 関数】と全く同じですね。確認できましたか?

これまでの数値の実績を根拠に将来値を予測できる【FORECAST 関数】【FORECAST.LINEAR関数】 | まとめ

office2016からリニューアルした【FORECAST.LINEAR関数】とoffice2013まで大活躍していた【FORECAST 関数】。

皆さんExcelの関数で関係のある数値の予測計算はできましたか?

office2016以降(office2019やMicrosoft365ももちろん)を利用している場合は【FORECAST.LINEAR関数】の方を使用するようにしてくださいね。

会社の事業年度とその年の販売数の関係を関数で予測するとか、身長と体重の関係を関数で予測するというのができます。是非【FORECAST 関数】【FORECAST.LINEAR関数】をExcelで計算してみてくださいね!