WEB制作で画像を使う場合必ず!知っておきたい常識

WEB制作に欠かせないのが写真やイラストですが、ネット上で使われているWEBデザイン画像を勝手にダウンロードして自身のホームページやSNSで使うと違法になることは知っていましたか?ネット上の画像やWEBデザインは著作物と言われて著作権という法律で守られています。知らなかったではすまされなく犯罪者になりうる可能性があります。コロナ禍で、自宅でネットを使い買い物をしたり、情報を集めたり、仕事面でも在宅勤務、いわゆるテレワークの普及が進んでゆき、自分でSNSを利用して情報を発信し、ブログ、ホームページを作成する人も必然的に増加しています。著作権はWEB制作をする方には絶対に知ってほしい当然の常識です。WEB制作で画像を使う場合必ず!知っておきたいこと 在宅でのパソコンを使った

WEB上にある画像やデザインには著作権がある

ネット上には様々な画像やイラスト,動画があふれています。画像やその他の作品にも著作権というものがあります。ネット上にある画像はどれでもダウンロードして使用して良いわけではありません。それでは著作権とはどういうものか解説していきます。

WEB上にある画像には著作権がある 法律 天秤 女神

 

著作権ってなに?

著作権とは“知的な創造活動によって何かを作り出した人”に対して付与される「他人に無断で使用されない」といった権利、すなわち「知的財産権」の一つです。著作権は著作物を保護しています。著作物というのは「思想又は感情を創作的に表現したものであって, 文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法第2条第1項第1号)と定義されその著作権の定義を明確に示したものが下記の著作物の種類です。

言語の著作物 講演、論文、レポート、作文、小説、脚本、詩歌、俳句など
音楽の著作物 楽曲、楽曲を伴う歌詞など
舞踏、無言劇の著作物 日本舞踊、バレエ、ダンス、舞踏、パントマイムの振り付け
美術の著作物 絵画、版画、彫刻、書、舞台装置など。
茶碗、壺、刀剣等の美術工芸品も含む。
建築の著作物 芸術的な建築物
地図、図形の著作物 地図、学術的な図面、図表、設計図、立体模型、地球儀など
映画の著作物 劇場用映画、アニメ、ビデオ、
ゲームソフトの映像部分などの「録画されている動く映像」
写真の著作物 肖像写真、風景写真、記録写真など
プログラムの著作物 コンピューター・プログラム

 

WEB上にはどんな著作権があるの? 

WEB上で使われているものには写真の他にイラストや文章、地図も著作物として当然認められていて著作権を保持しています。つまりは他人が作った作品には著作権で守られていてそれを勝手に自分のWEBページで使用するのは認められなく、当然違法ということになります。著作権の話でよく耳にするのが音楽関係ですが、数年前に学校の発表会で歌う曲にも著作権があるから使用料を取るとか、楽譜をコピーして配ることは著作権に反してるだとか議論されたことがありました。結局は営利を目的としなければ歌うことができ、楽譜は授業で必要な枚数の範囲なら配っても良いと法律で整備されました。他人の作品を勝手に使うという考えに必然的にシビアになってきた時代といえるでしょう。

 

著作権を持つ画像やWEBデザインを勝手に使うのは犯罪?!

法律で守られている著作権ですのでもちろん勝手に使ったら当然犯罪者になりかねません。

著作権でまもられた画像を勝手に使うと 沈む イチゴ

ネット上の画像を使った場合はどんな権利に反するのか?

ネット上にある画像を勝手にコピーやダウンロードした場合には「複製権」(無断で複製されない権利)(第21条)、さらにそれを著作者の許諾なく、テレビ、インターネット等公共の電波を通じて自分のサイトに掲載し閲覧できるようにすることは、「公衆送信権」(無断で公衆に送信されない権利)(第23条)の侵害となります。まり、自分のブログに勝手に他人の画像や記事をコピーし持ってきて、アップロードして公開したり、SNSなどに投稿する行為がもれなく”違法”ということになります。

 

もし他人の作品を使った場合罰則があるの?

もし勝手に画像など、著作権で護られているものを、使ってしまった場合どんな罰則があるかというと、損害賠償差し止めなどの民事的責任があります。もしあなたが著作権侵害をしてしまった場合、著作権の権利者から当然訴えられる可能性があります。

著作権法違反をしたらどうなるか 駆けつける 警察官

損害賠償請求や既に使用した画像などが出回ってしまっていた場合は回収をしなければならない可能性があり、その場合の当然費用がかかります。さらに、著作権侵害は被害者に告訴されれば当然刑事罰の対象にもなり、「10年以下の懲役と1,000万円以下の罰金のいずれか、またはその両方」(著作権法119条1項)。法人の場合はさらに厳しく、「3億円以下の罰金」(著作権法124条)とかなり厳しい罰則があります。法人の場合はクライアントから渡された画像が著作権を承諾、譲渡されているかその出所を確認することが必須です。確認を怠ると会社を潰すのはあなたになるかもしれない。

 

使用可能なWEB上の画像とは

それならどのような画像なら使用可能なのか確認しましょう。

WEB上で使っていい画像 パソコンをする人

1、フリー素材のサイトの画像を使う

無料で画像をダウンロードして使っても良いサイトがあります。ただし、利用規約に反すると当然訴えられる可能性があるので事前にチェックしておいてから使う方が安全です。フリー素材のサイトは同時に有料の画像を取り扱っていることが多いのでそちらで購入することもできます。

 

 

2、自分で撮影する

これは著作権を保有するのが自分になるので一番安心です。ただし、勝手に人を写したものを掲載すると肖像権の侵害になるので注意が必要です。撮っているつもりがなくても背景に映り込んで人物の判定ができてしまうとNGです。

 

 

3、「権利者の了解」を得る。

権利者とは撮影者、作成者のことで著作権の権利を持っている人から了解を得る、承諾をもらうということです。その場合は法人は当然のこと個人であっても契約書があった方が安心でしょう

 

 

4、著作権が切れた画像やイラスト

著作権の保護期間は70年です。70年というのは「作品が公表された時」もしくは「作者が死亡した時」からとなります。その作品が一部で公表されただけのものか有名作品かによって起算の仕方がかわります。使う前に文化庁のホームページ等で確認しましょう。

 

 

 

WEBデザインにおける著作権

画像のことに触れてきましたがWEBデザインについては画像も含んだものとなります。その扱いはどうでしょうか?

WEBデザインに著作権があるのか WEBロゴイメージ

WEBデザインにおける著作権の考え方

WEBデザインも画像と同じように著作権を持っていることは先ほど確認しましたね。WEBデザインと一言で言ってしまいますがWEBデザインはいくつかのコンテンツから成り立っていますよね。例えば、ベースとなるテンプレートがあってそこに動画や画像があり、文章がある。見えない部分にはソースコードがあったり、それぞれが著作権を持っていることが多いです。逆にそこが問題で各方面から素材を入手してWEBページを制作した人はそれぞれの著作物を組み合わせただけの作業をしただけで創造的なものではないと判断されてしまう可能もあります。

 

WEBデザインは著作物と認められない場合がある

WEBデザインのレイアウトと配色は著作権に入るか カラフル ペインティング 顔

著作物の中にWEBデザインは著作権が認められない場合があります。WEBデザイン上のレイアウトと配色はそれにあたり、ただのアイデアにすぎないという扱いになります。もう一度著作物とは何かを振り返ってみましょう。

 

(a)「思想又は感情」

(b)「創作的」

(c)「表現したもの」であって,

(d)「文芸,学術,美術又は音楽の範囲」に属する

 

著作物を定義するものとは上記のようなものでした。(b)の「創造的」については,他人の作品の「模倣品」など創作が加わっていないものが著作物から除かれます。また「ありふれたもの」すなわち、誰が表現しても同じようなものになるものも創作性があるとはいえません。さらに(c「表現したもの」について,「アイデア」は表現することが難しいため著作物から除かれます。つまりWEBデザインの配色やレイアウトはこれらの理由から「創造的に表現したもの」という主張は難しく著作権を得ることはできません。当然、他人のWEBデザインを丸ごと使ってしまうのは犯罪になりますが、似たようなものであればそれが誰のものかの判別は難しくなり著作権を行使することはできないというです。

 

まとめ

WEBデザインの画像について著作権まとめ ハート 花束 かわいい

 

WEBがメディアの中心になっている今、一昔前は著作権といえば音楽や映像がメインに取り上げられていた問題ですが、WEB上のコンテンツや作品も著作権で守られているこということに注目していかなければなりません。

 

ホームページやブログの作成、SNSの投稿が日常化した今だからこそ知っておきたい当然の常識となります。今日の気軽に情報を公開できる時代だからこそ「世の中に公開する」という重大な責任があるという意識をもってWEB制作に関わっていってほしいです。

 

出典先

著作権|文化庁:https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/index.html

参考資料

文化庁著作権テキスト(令和2年度版)

92466701_01.pdf (bunka.go.jp)