Web広告13種類の仕組み・運用方法や選び方のポイントも徹底解説

Web広告13種類の仕組み・運用方法や選び方のポイントも徹底解説

パソコンやスマートフォンなどで毎日のように目にする「Web広告」ですが、いざ運用するとなると
戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。

「Web広告」の種類は13種類と豊富で、それぞれ特徴が異なります。

ポイントを見極め、ぜひ自社にあった広告を見つけましょう。

この記事では、Web広告について徹底解説します。

WEB広告とは

WEB広告とは
WEB広告とは、インターネット上の媒体(メディア)に掲載されるすべての広告のことです。インターネット広告やデジタル広告とも呼ばれます。デジタルデバイスの急速な普及によりニーズが高まり、今後も成長が見込まれます。

WEB広告の目的

Web広告の主な目的は、次の通りです。

  1. 自社の商品やサービスの認知の拡大
  2. 興味喚起
  3. 商品購入・再購入などの行動の喚起(コンバージョン)

Web広告のメリット・従来型との違い

従来型の広告と比較した場合のWeb広告のメリットは、次の通りです。

小額から始められるものがある
従来型: 新聞や雑誌などのマス広告の費用は、高額になりがちです。
WEB広告: 固定額がないものを選ぶことでコストダウンが可能です。

準備期間が短く、タイミングをキャッチできるものがある
従来型: テレビCMの多くは、配信までに数ケ月かかります。
WEB広告: 即日配信できるものがあります。

ターゲティングした配信が可能
従来型: ターゲットを縛らずに幅広い層に向けて発信します。
WEB広告: 年代・場所などのキーワードの選定により、精度の高いターゲティングが可能です。

効果の測定ができるものがある
従来型: 正確な数字での効果測定が困難です。
WEB広告: ユーザーのターゲティング・データ計測が可能なので、効率の良い運用が見込めます。

掲載期間中に広告の内容を変更できるものがある
従来型: 書き換えができない媒体が大半です。
WEB広告: 掲載期間中に差し替えられるものが多くあり、状況を伺いながら改善が可能です。

ここで、広告選びの条件となる「ターゲット層」と「課金」について記述します。

Web広告のターゲット

Web広告のターゲット層は、4つに区分できるとされています。

  • 明確層 : すでに購入や利用したことがある
  • 顕在層 : ニーズがある・すでに知っている
  • 準顕在層: ニーズを抱えている・知らない
  • 潜在層 : 知らない・興味がない

Web広告の課金方式は7種類

課金方式ごとの広告費が発生するタイミングと該当する広告については、次の通りです。

クリック課金 (CPC:Cost Per Click)
ユーザーが広告をクリックした時点で費用が発生します。最も一般的な方法です。
対象: 「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「リターゲティング広告」「SNS広告の一部」

インプレッション課金 (CPM:Cost Per Mille)
配信した広告が1,000回表示されるごとに費用が発生します。
対象: 「ディスプレイ広告」「レターゲティング広告」「SNS広告」「ネイティブ広告の一部」「デジタル音声広告」

エンゲージメント課金 (CPE:Cost Per Engagement)
広告に対してユーザーがエンゲージメント(SNSでのシェア・いいね・返信などの好意的な反応)を起こしたタイミングで費用が発生します。
対象: 「ディスプレイ広告」「SNS広告の一部」

視聴課金 (CPV:Cost Per View)
ユーザーが動画広告を1再生するごとに費用が発生します。
対象: 「動画広告」

成果報酬課金 (CPA:Cost Per Action/CPI:Cost Per Install)
事前に設定した目標(コンバージョン)にユーザーが達した場合に費用が発生します。コンバージョンには、資料請求・商品購入・インストールなどを設定します。
対象: 「アフィリエイト広告」

保証型課金(CPD:Cost Per Day)
掲載期間を定めて広告枠を買い取り、その期間に応じて費用が発生します。
対象: 「純広告」

配信数型課金
広告の配信先の件数によって費用が発生します。
対象: 「メール広告]

種類別 Web広告の特徴(メリット/デメリット/ターゲット)

リスティング広告

リスティング広告
リスティング広告

リスティング広告とは、ユーザーがGoogleなどで検索したキーワードと、広告の出稿の際に指定した検索キーワードが合致すると、検索結果の一覧に表示されるテキスト状の広告です。広告費は、広告をクリックされた時に発生し、表示されただけでは料金はかかりません。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
出稿後にすぐに上位表示される

検索キーワードがユーザーのニーズと合致しているためクリック率が高く、即効性がある

最低出稿額が決められていないため、低予算で始められる

人気がある検索キーワードはクリック単価が高額になり、予算が足りないと広告の表示回数が減ってしまう

潜在層・無関心層にアプローチできない

おすすめ:短期間で効果を得たい、低予算からWEB広告をはじめたい、文字で表現しやすい商品・サービスがある、ターゲットが決まっている

ディスプレイ広告・バナー広告

ディスプレイ広告・バナー広告

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどの広告枠に表示されるターゲティング可能な画像・動画・テキストを使用した広告です。過去にWEBサイトを訪問したユーザーに広告を配信できるためリスティング広告の一部ととらえることもありますが、デイスプレイ広告はより幅広い層に配信できます。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
掲載期間中の差し替えができる

画像や動画を使用するので表現の幅が広い

視覚的アプローチにより潜在層の興味を引きやすく、低単価商材の衝動買いが見込める

細かなターゲティング(地域・年齢・性別など)が可能

検索したタイミングで広告が表示されるわけではないので、リスティング広告に比べてコンバージョン率が低め

おすすめ:認知拡大をしたい、興味を持ってもらいたい、視覚的なアピールが有効な商品・サービスがある

アドネットワーク広告

アドネットワーク広告
アドネットワーク広告とは、複数の様々な広告媒体を束ねた広告配信ネットワークに広告を配信するものです。Webサイト・SNS・ブログなどにまとめて配信できる広告のことで、入稿以外の処理をアドネットワーク業者に一任することができます。ディスプレイ広告を含むことがあります。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
複数のWEBサイトに一括配信できるため業務効率を上げられる

まとめて効果測定できる

広告を掲載するサイトを選べないのでターゲティング手法が効かない

おすすめ:認知拡大をしたい、興味を持ってもらいたい、視覚的なアピールが向く商品・サービスがある

リターゲティング広告(リマーケティング広告)

リターゲティング広告(リマーケティング広告)
リターゲティング広告とは、過去にWebサイトを訪問したことのあるユーザーを追跡して配信できる広告です。画像、動画、テキストなど様々な形式があります。Webサイトの再訪問によりコンバージョン率を上げる手法です。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
もともと興味のあるターゲットを追いかけてアプローチするため、成果が得られやすい行動を追跡するため不快感を与えたり、しつこいと感じさせたりするリスクがある

潜在層にアピールしにくい

おすすめ:何度もサイトに訪問してほしい、コンバージョン率を上げたい

純広告

純広告
Yahoo! JAPAN

純広告とは、指定した媒体の指定した広告掲載枠を一定期間買い取る広告です。テキスト・画像・動画を使用します。ターゲット層がよく閲覧する媒体を選ぶことで広告効果が見込めます。サービスを提供するプラットフォームに「Yahoo!ブランドパネル」があります。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
目立つ場所に表示され、幅広い層にアプローチできる掲載期間中の差し替えができない

広告費が高額

おすすめ:認知拡大をしたい、予算がある

SNS広告

SNS広告

SNS広告とは、SNSプラットフォームに配信する広告です。

SNSプラットフォームの主な媒体
Twitter(10~30代のユーザーが多い、実名制ではないため登録情報による詳細なターゲティングはできないが、趣味や関心を軸としたターゲティングができる)
Facebook(30~40代のユーザーが多く、ビジネス利用も多い。実名制なので登録情報で詳細なターゲティングができる。類似オーディエンス機能=(新しい顧客獲得の可能性がある)がある)
Instagram(10~30代の女性のユーザーが多い。女性向けの商材。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
SNSが持つユーザーの登録情報を活用できるため、ターゲティング精度が高い

違和感を与えにくい

拡散によりCPA(顧客獲得単価)が抑えられる

ユーザーに継続して配信されるので、定期的に見直す必要がある
 

炎上のリスクがある

SNSの選定を間違えると効果が得られない

おすすめ:認知拡大をしたい、事業を拡大したい

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告
アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、媒体主(アフィリエイター)が運営するブログやSNSなどのWEBサイトに広告を掲載する手法の広告です。具体的には、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)が広告主とアフィリエイターを結びつけ、アフィリエイターが自身のWebサイトで広告主の商材を紹介します。広告費(報酬)は、その広告をクリックしたユーザーが、広告主が設定したコンバージョン(購入・資料請求・契約など)に至ると、広告主からASPに、ASPからアフィリエイターに支払われます。

おすすめ:認知拡大をしたい、コスパ重視

記事広告(タイアップ広告・PR記事)

記事広告(タイアップ広告・PR記事)

記事広告とは、WEBメディアのWebサイト内にある、一見通常の記事のような広告ですが、必ずどこかに「PR]「広告]などと明記してあります。広告主と媒体(メディア)が協力して作成するため、タイアップ広告と呼ばれることもあります。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
媒体のブランド力が得られるため、信頼感を得やすい

媒体と協力して作成できるので、自然で読み飛ばされにくい

情報量が多く、潜在顧客にアプローチできる

記事が仕上がるまでと、掲載から効果が得られるまでに時間がかかる

高額になりやすい傾向がある

おすすめ:認知拡大をしたい

動画広告

動画広告
動画広告とは、動画を活用した広告です。具体的な媒体(メディア)は、YoutubeやTikTokです。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
多彩な表現で短時間で伝えられる情報が多い

目を引きやすく共感が得られやすい

自動的に広告が再生される

制作費や制作時間がかかる

途中でスキップされて、内容が正しく伝わらないことがある

おすすめ:認知拡大をしたい、興味を持ってもらいたい

メール広告

メール広告

メール広告とは、過去に商品を購入した明確層や興味関心がある顕在層のユーザーに電子メールで広告を配信する手法の広告です。メルマガに広告を載せるタイプと、メール自体が広告の2種類があります。テキスト形式とHTML形式の2種類があり、HTML形式は、動画・画像・イラストなど幅広い表現が可能です。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
短期間の準備で配信可能なため、急なキャンペーンやセールなどに対応できる

新製品の入荷情報などのユーザーが求める情報を提供することで、広告効果が期待できる

迷惑メール・スパムメールとみなされる可能がある

開封されない可能性がある

HTMLメールが表示されないなど、メーラーの環境に依存する

おすすめ:リピート率を上げたい、興味を持ち続けてほしい

ネイティブ広告

ネイティブ広告
ネイティブ広告

edge://newtab/

ネイティブ広告とは、Webメディアの記事や投稿に溶け込むかたちで表示される広告です。
文章やデザインなどをWEBサイトに合わせることで、一見広告には見えません。SNS広告はネイティブ広告の一つです。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
自然な形なのでストレスを与えにくく、受け入れられやすい記事が広告と分かったときに、マイナスのイメージを与えることがある

効果を得られるまである程度時間がかかる

自然に見せる質の高いデザインや、キャッチコピーが必要となる

おすすめ:認知拡大をしたい

リワード広告

リワード広告

リワード広告とは、短時間でのアプリのインストール数アップや認知拡大を目指すために、指定した条件を満たしたユーザーにリワード(報酬)が支払われる広告です。具体的には、アプリをダウンロードしたりアンケートに回答することで、ポイント(リワード)がもらえるといった形式です。リワード広告は成果報酬型のため、アフィリエイト広告に分類されるケースもあるようです。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
短期間で認知度やダウンロード数を上げられる

ユーザーが得をする

一時的なユーザーが多く、定着しにくい
 

配信回数が多すぎると不快感を与えることがある

おすすめ:認知拡大をしたい、興味を持ってもらいたい

デジタル音声広告(デジタルオーディオアド)

デジタル音声広告(デジタルオーディオアド)

デジタル音声広告とは、インターネットラジオなどのデジタル音声に特化した媒体(メディア)で流れる音声広告のことです。具体的な媒体は、これまでの地上波ラジオCMに加え、radikoのようなインターネットラジオやポッドキャスト、Spotifyに代表される音楽配信サービスなどです。日本ではなじみが薄いですが、欧米ではすでにデジタル音声広告は普及し始めています。

潜在層準顕在層顕在層明確層
メリットデメリット
スキップされにくい機能により広告を確実に届けられる

聴覚による情報は記憶に残りやすい

ユーザーが好意的

配信効果を実感しにくい
 

成長過程にある市場のため、ユーザーが少ない

おすすめ:認知拡大をしたい、ブランディングを成功させたい

WEB広告の運用のポイントとは

自社の現状を見極める
「本当にWEB広告を掲載した方が良いのか」「他に施策はないのか」を見極めましょう。

予算の上限を決める
思うような成果が出なかった場合に、上限を決めることによって広告を停止したり思い切った方向転換をするなどの対策を練ることができます。1日ごとの予算を決めると尚良いでしょう。
また、それとは逆に成果が予想以上に好調だった場合も想定して、事前に増額基準を設けることも大切です。

アピールポイントの選定
  
商品やサービスをより魅力的にアピールするために、ユーザーの思考と行動を十分に想像しましょう。

データ解析をして改善を怠らない
WEB広告は明確なターゲット情報を得ることができます。日々データを解析し、改善し続けることが重要です。

無謀な計画を立てない
思うような効果が出なかった場合、早々に広告掲載が終了となる場合があります。Web広告は、配信によって得たデータを分析して改善を繰り返すことで成果が得られますので、中長期的な計画を描いて予算を設定をしましょう。

WEB広告を選ぶポイントとは

広告の目的
ターゲットに期待するコンバージョンなどの目的を明確にした上で、最適なWeb広告の種類や媒体を選ぶことが重要です。

ターゲットが利用する媒体の選定
例えば、若年層においては情報収集源が検索エンジンからinstagram・twitter・yuotubeなどに移行するといったターゲット行動を十分に考慮して、適切な媒体を選ぶことが必要です。

予算の設定
設定した予算の範囲内で成果が見込める広告を選ぶことが大切です。

まとめ

Web広告13種類の仕組み・運用方法や選び方のポイントについて解説しました。

なにをしたいのか
                
どのようなタイミングで、誰に、何を伝えたいのか
 
求められているのは何か
   
目標達成とはなにか
を明確にして、自社の商品やサービスをより良くアピールすることにWeb広告を活用しましょう。