顧客接点( タッチポイント)を解説。強化の方法とコツとは?

顧客接点( タッチポイント)を解説。強化の方法とコツとは?

「うちの商品いいものだし、もっと多くの人に知ってほしい。」そんな漠然とした思い、顧客接点(タッチポイント)を押さえて叶えませんか。

コツを押さえれば決して難しくない!ポイントをわかりやすく解説します。

タッチポイントとは

タッチポイントとは「顧客接点」とも言い、企業と顧客が接する「点」「場面」のことです。

言葉が示す通り、「どこで」「どんな風に」お客さんと接するかを想定することで、今あるタッチポイントを更に強化する、或いは新しいタッチポイントを創設し、新たな顧客に出会うことが可能になります。

耳慣れない言葉ですが、ポイントさえ押さえれば難しくはなく、すぐに実践することが可能です。

  • タッチポイントの重要性
  • タッチポイントを知ることは、消費者の行動を知ることから始まる
  • タッチポイントを強化した企業の成功事例
  • 自社のタッチポイントを強化するには

タッチポイントの重要性

従来、消費者との接点はスタッフを通した店舗や電話による対応のみでした。
また、商品を提供する側は「良い製品」を開発すればよく、単純な販売構造を確立するのみで十分でした。

ところが、最近では消費者の行動パターンは大きく変化し、販売者側も「良い製品を作り続ける」だけでは貴重な販売機会を自ら逃してしまうことが少なくありません。消費者の行動パターンの変化とともに、販売者側は細分化するニーズへの対応が求められるとともに、従来のコミュニケーションではニーズが充足されない消費者が増えています。

一方で、タッチポイントを強化することで、消費者とのコミュニケーションをより深める貴重な機会を自ら作り出す、或いはその機会を取りこぼさないようにすることが可能です。

タッチポイントを知ることは消費者の行動を知ることから始まる

タッチポイントを知ることは消費者の行動を知ることから始まる

タッチポイントを具体的に理解するには、消費者の行動パターンを知ることが大切です。

消費者の行動そのものが変化しているのではなく、「情報」との接点が変化しています。
また、消費者の行動はオフラインのみで完結する、オンラインのみで完結するのではなく、それぞれを縦断的に行き来するケースが多くあります。

タッチポイント①消費者が「知る」とき

消費者が初めて商品と接するポイントとなるため、非常に重要なポイントです。

主に広告がこの役割を担っています。従来は雑誌/新聞などの紙媒体・テレビが中心でしたが、現在はSNSやインターネットも加わり、タッチポイントは増加しています。
また、企業では展示ブースを展開するケースもあります。

タッチポイント②消費者が「比較・検討する」とき

①を経た消費者が実際に店舗に行って商品を見たり、店舗スタッフとの会話の中で比較・検討を行ったりしています。現在ではECサイトの口コミやSNSインフルエンサーの書き込み・ランキングサイトなどで、商品の比較・検討を行うケースが増えています。

タッチポイント③消費者が「購入する」とき

②を経た消費者が商品の購入の段階に至ったケースです。この際にも②と同様、店舗のスタッフの接客が重要なタッチポイントとなることに変わりはありません。また、オンラインで買い物を行う際には「手続きが煩雑でないこと」などもポイントとなるでしょう。

タッチポイント④顧客が「評価する」とき

商品を購入した顧客が、満足に至るまでのタッチポイントです。オフラインでは購入後にカスタマーセンターなどのお問い合わせを活用することとなります。オンラインでは、SNSなどへ評価を書き込む行為が該当します。ここでは、カスタマーセンターの対応や、SNSでの書き込みへの対応がタッチポイントとなります。

タッチポイント⑤顧客が「拡散する」とき

商品を購入した顧客の感想を、本人或いは第三者が広げる、拡散するポイントです。企業が主体的に手がけるものとして、オフラインではファンイベントの実施、オンラインではSNS上での拡散などが該当します。SNSでこのポイントを設ける際には、炎上した際の対応など、事前にリスクに対する準備を整えたうえで臨みましょう。

タッチポイントを強化した企業の成功事例

タッチポイントの創出或いは強化を行ったことで、成功を収めた企業の事例はいくつもあります。2社の事例を紹介します。

ヤクルトスワローズの事例 ~コロナで迫られたファンとの接点の転換~

ヤクルトスワローズを運営するヤクルト球団は、コロナ禍でファンとの接点が激減し、これまでの試合観戦時にグッズを販売する、というロールモデルの転換を迫られていました。
そこで、それまでにも成長軌道に乗りつつあったECに着目し、EC上での顧客行動を網羅的に分析するツールを導入し、コロナ禍においてもファンとの接点を構築し続けることに成功しました。

分析ツールの開発会社は以下のようにコメントをしています。

「ファンとの新しい接点のあり方を模索した結果、オンラインショッピングの需要増に着目し、まずはECサイトを軸にファン体験の改善と成果創出に取り組んだ。この中で、ファンの属性データは豊富に持っているが、1人ひとりの行動データを取得できていないことが明らかになった。さらに、ユーザー1人ひとりがECサイトでどのような体験をしているのか分からず、ファンの体験改善のための企画にデータを活用できていないという課題があった」。

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カゴメの事例 ~ファンを作りファンとつながる~

私たちの家庭にもなじみの深いカゴメ。
健康志向にも押され堅実に業績を伸ばしているものの、成長率は鈍化の傾向が見られ、課題となっていました。

そこで、同社は「ファンとつながる」ことを目的とし、徹底的に消費者の声を聴くため、会員制ECサイトの構築を行いました。このサイトはファンとのつながりを求めることにフォーカスし、一般的にECサイトとしてイメージされるような「宣伝」は行っていないのが大きな特徴です。

結果このECサイトにファンが発した声が発端となり、具体的な製品の開発まで至ったものもあります。さらに、ファンの声を聴くための座談会の定期的な実施や提携農園での農業体験など、本ECサイトから誕生した取り組みは多くあります。

顧客との多様なタッチポイントを持つこと、そして顧客をより深く分析したうえでタッチポイントを創出したことにより、より愛着を持ったファンが増えることが証明された事例となっています。

カゴメが築く「ファンを夢中にさせる」戦略 わずか2.5%のユーザーに注目したワケ

自社のタッチポイントを強化するには

以上は導入企業の例でしたが、オンラインの登場により、顧客とのタッチポイントを意図的に増やす、またそれだけではなく、場面に合わせたコミュニケーションをとることが可能な時代となりました。

まずは自社が現在持っているタッチポイントを確認し、既存のポイントでより注力できるところはどこかを見極めることが重要となります。その際にはカゴメの事例にもあるように、自社のポジショニング(強み)や現在の顧客について、深く理解することが必要となります。或いは新しくタッチポイントを設ける際、特にSNSを活用する際には、先行企業の事例についてマイナス点も含め、多くの情報を把握していることが重要です。

タッチポイントは全ての企業が持っているものですが、戦略的にどう使うかどうかによって大きな差が出てくる点でもあります。

既存の顧客との関係をより強くすることはもちろん、まだ見ぬお客さんへ出会うための旅の第一歩として、タッチポイントを活用してみませんか。