ネットショップ開設をする際、初めの選択になるのがAmazonや楽天のようなECモールに出店するか?独自ドメインを持った自社ECサイトを出店するか?になるでしょう。
ここではECモールと自社サイトの違いを比較し、メリットとデメリットを解説します。
代表的なECモールに出店する費用や、自社ECサイトを構築するためのサービスも併せて見ていきましょう。
目次
ECモールと自社ECサイトの違いとは?
お客様から見た違い
ネットショッピングを実際の買い物に例えると
- ECモールは複数の企業が出店する大きなショッピングモールのテナント
- 自社ECサイトは町中にある路面店1軒のショップ
導入経路がsnsなのか?google検索なのか?路面店が好きなのか?モールが好きなのか?
それぞれにメリットデメリットがありそうですね。
運営方法の違い
- ECモールには各モール共通の店舗運営システムがあり、手順に従って商品を登録することで比較的簡単に出品が可能
- 自社ECサイトは自社のドメインを持ち、ブランドの世界観を持ったオリジナルサイトの作成が可能
自社のサイト制作にどのくらいの資金や人材を用意できるのか?また、どのようなショップを目指すのか?という展望によってもECモールと自社ECのどちらが適しているかが変わってきます。もちろんどちらにもメリットとデメリットがあります。
ECモールとは?
町中にあるショッピングモールと同様に、インターネット上のECモールにも毎日たくさんのお客様が訪問します。みなさんも1度は利用したことがあるのではないでしょうか?日本には代表的なECモールとしてAmazonや楽天やYahoo!ショッピングなどがあります。
何か物を買おうとした時、商品を検索すると何100件、何1000件と言う商品が検索できます。実際のショッピングモールではこんなにたくさんの商品を一気に見ることはできませんが、ECモールならほんの数分でたくさんの商品の中から自分の好みの商品を購入することができます。ただ、なぜこのモールで買ったのか?なぜその商品を選んだのか?同じ商品がたくさんあるということは販売する側にはどんなことが考えられるでしょうか?
ECモールに出店するメリット
集客力
ECモールの最大のメリットは、すでに顧客基盤があることによる集客力の高さです。
大手ECモールの知名度を使って初期からでも集客が見込めます。
安心感
近年のサイバー犯罪の増加やセキュリティ意識の高まりにより、初めて訪れたショップで個人情報やクレジットカード番号を入力して商品を注文することに抵抗を感じる人が増えています。ECモールでは、ショップ自体の知名度が低くてもモールのブランド力や安心感により、購入者からの信頼が得やすいと言えます。
専門的なWeb制作のスキルがなくても出店できる
比較的簡単な手続きでモールへの出店ができます。モール独自の管理画面を利用して商品情報ページの作成や決済方法の選択など、テンプレートに沿って入力するだけで、専門的なWeb制作のスキルは不要です。また、わからないことを気軽に問い合わせできる無料のサポートが付く場合もあります。
初期費用が抑えられる
web制作スキルがなくても自身のショップを運営することが可能です。サイト構築に関する専門的な知識がなくても登録が簡単なので、自分で運営することができます。
ECモールに出店するデメリット
ライバル商品が多く価格競争に陥りやすい
モールの中には同じような商品や同じ商品を販売するショップが多数存在します。顧客の注目を集めるためには価格競争は避けられない状況になる可能性があります。
ショップ独自のブランディングが難しい
各モールごとにガイドラインやデザインに関する決まりごとが多数あります。そのため、他店との差別化が難しく、ショップを覚えてもらえにくいという短所があります。
顧客情報を自社で管理できない
顧客情報へ直接アクセスできないように制限されている場合が多く、顧客情報に基づいたマーケティング活動はできません。
ランニングコストがかかる
モールには出店料の他に販売金額に応じた手数料が発生します。たくさん販売すればするほど手数料の合計が大きくなる傾向にあります。
モールのポリシー違反で出品停止
モールのポリシー違反が発覚すると最悪の場合、出品停止となります。また、モール側の手数料変更により利益の大きさも変わってきます。
代表的なECモール3社を比較!
売上高 | 利用者数 | 店舗数 | 初期費用 | 月額費用 | その他手数料 | |
---|---|---|---|---|---|---|
Amazon | 約3,4億円 | 5,120万人 | 17,8万店舗 | 無料 | 無料~ | 8%~15% |
楽天市場 | 4,5兆円 | 5,370万人 | 5万店舗 | 60,000円 | 19,500円~ | 10,4%(月商100万円の場合) |
Yahoo!ショッピング | 8,519億円 | 2,557万人 | 87万店舗 | 無料 | 無料 | 5,6%(月商100万円の場合) |
自社ECサイトとは?
自社ECサイトとは町中に1軒のお店を構えているような運営方法です。
お店全体を自分好みにデザイン出来るように、ページ全体を自由にカスタマイズできます。
独自ドメイン(店舗名を入れたアドレス)が作れるのも特徴の一つです。
ひと昔前までは、高い技術力が必要でゼロから自分で構築する必要がありましたが、現在では数千円から利用可能な初心者向けサービスもあり、比較的簡単に自社ECサイトの構築ができます
ただ、町中のお店に初めて入るのは少し勇気がいりますよね?そんなことも併せて考えていきしょう。
自社ECサイト運営のメリット
デザインやレイアウトが自由
自社の商品やユーザーに合わせてオリジナリティーあふれる独自のデザインにできます。
デザイン性のある商品や世界観にこだわる商材の場合、サイトのデザインはファン作りにも大きく影響し、ブランディングを確率させることで競合他店との差別化も図れます
webマーケティングの施策が立てられる
顧客情報を使ったメールマーケティングやSNSを利用した集客ができます。
SEOやweb広告を利用した集客や、ユーザー目線の使いやすいサイト運営など顧客分析と結果をすぐに改善につなげることができます。
ランニングコストがECモールに比べて安い
自社ECサイト運営は出店料や販売手数料などのマージンが発生しません。また、モールのように多数のライバルが存在しないため、価格競争に陥りにくいというメリットもあります。
ECモールに出店するデメリット
集客が難しい
欲しい物を検索エンジンを利用して検索をする人は少ないのではないでしょうか?モールに入っている店舗のような信頼感と目にとめてもらう機会の多さを比べると、集客は難しくSEOや広告、アフィリエイトなどさまざまな対策を講じる必要があります。
初期費用が高額
よほどの知識がある場合以外は、構築の知識がある人に依頼することになるでしょう。依頼費用はテンプレートを活用した小規模ECサイトの構築の場合でも10万円~100万円程度は必要です。
効果が表れるまでに時間ががかかる
自社ECサイトは存在に気づいて購入してもらうまでに時間がかかります。ページに訪問してくれたお客様も初めて訪れたサイトに個人情報を入れることに抵抗を感じる場合が多くあります。顧客満足度を意識してリピート獲得をするなど、マーケティングの知識は不可欠になります。
自社EC構築方法
ECサイト構築方法 | 初期費用目安 | 月額費用目安 | 備考 |
---|---|---|---|
ASP | 0~20万円 | 0~数万円 | ShopifyやBASEなど |
オープンソース | 数10万円~ | 個人:数1,000円~/企業:数10万円~ | MySQL、MariaDBなど |
ECパッケージ | 数100万円~ | 数10万円~ | ecforceやショップサーブなど |
まとめ
ここまでまとめてきた通り、ECモールにもECサイトにもそれぞれにメリットとデメリットがあります。
人気商品にするには露出を増やしすぐに集客ができるモールの瞬発力と、リピート顧客を作りブランドや商品を長く育てていくECサイトの持久力はどちらも必要です。
既に有名なブランドも高いテナント料を払ってデパートやモールにに出店するように、初めからECサイト1本であらゆるマーケティング活動に投資することよりも、手っ取り早く新規客を開拓するチャンスがあるモールの力を借りることがかえってコスパが良い可能性もあります。
2つを運用していくには注文管理や在庫管理を連携させるツールなども必要になりますが、両方のメリットとデメリットをうまく補い合って運営していくことが売り上げ拡大のチャンスといえるでしょう。