コロナ禍でステイホーム生活を強いられるなか、俄かにわたしたちの関心を惹いたもののひとつに、「PODCAST」があります。今も若い世代を中心に人気を集めていて、そこで配信される「デジタル音声広告」が注目されています。本記事では Spotify での広告の出し方とそのメリットを紹介します。
目次
デジタル音声広告と音声広告
デジタル音声広告とはネット上で配信される音声広告のことをいいます。音声広告といえば、以前は、ほとんどラジオで放送される広告のことでしたが、現在ではSpotifyやポッドキャストなどを中心にさまざまな音声コンテンツが増えています。そこで配信される音声による広告がデジタル音声広告です。
デジタル音声広告のメリット
デジタル音声広告のメリットを紹介します。
- ながら聞きできる
- デバイスを選ばない
ながら聞きできる
音声コンテンツはリスナーが何か他のことをしながらでも聞くことができます。いわゆる「ながら聞き」ですね。リスナーはそこで配信される広告をいつの間にか聞かされています。これはラジオで放送される音声広告も同じです。
デバイスを選ばない
ネットでストリーミングサービスされるデジタル音声広告ならではのメリットとして、リスナーがデバイスに縛られないということがあります。
スマホやタブレット、パソコン、スマートスピーカー、ネットに接続した車載スピーカーなど。デバイスを選ばないので、通勤、通学など移動しているとき、あるいは仕事してるとき、もしかしたら、お風呂に入ってるときなど、後述するリスナーごとに異なる状況の 瞬間を逃さずに広告を配信 することができるサービスもあります。
Spotifyデジタル音声広告のメリット
たくさんある Spotifyデジタル音声広告 のメリットの中からひとつを紹介します。
ホリデー、ロードトリップ、チルアウトやワークアウトなど、それぞれのシチュエーションに合わせたSpotifyのプレイリストを聴いているリスナーが世界中にたくさんいます。
ある意味でリスナーはプレイリストによってわかりやすくジャンル分けされた人たちということができます。プレイリストあるいは好みの音楽によってリスナーの属性、興味のあること、関心のあることなどを抽出して細かくターゲットを絞りこむことができるので、より成約に近いところにいるリスナーに向けて高い精度で広告を配信することができます。
Spotifyデジタル音声広告の出し方
Spotifyデジタル音声広告の出し方を紹介します。
Spotify が「Spotify Advertising PARTNER」というプログラムで認定している代理店を通して出稿することができます。
個人や法人の広告主が直接Spotifyに広告の出稿を依頼できるのかというと日本国内向けの広告としては諸事情によりそれはどうやら難しいようです。
Spotifyデジタル音声広告の種類
Spotifyのデジタル音声広告には大まかに「純広告」と「プログラマティック広告」のふたつの形式があります。
- 純広告
- プログラマティック広告
純広告
Spotifyと先述した認定代理店を介した広告主が直接契約してあらかじめ広告枠を買って、その枠で配信する広告です。
これは広告主が自身で広告を制作してSpotifyに出稿することもできますが、広告そのものの品質を考慮すると代理店に制作込みで依頼するのが無難です。予算については広告の尺、配信期間、ターゲティングの内容などによって変わりますが、月に数百万円程度(制作費を含まず)、必要になることもあります。
プログラマティック広告
あらかじめ広告を枠買いする純広告と違って、こちらはリアルタイム(入札)で広告枠を買って配信するものです。DSP を通してこちらの予算内で想定しているターゲットに向けて最適なタイミングで自動的に広告を配信することができます。
予算については配信の頻度、リアルタイムでの買い付け(入札)価格、ターゲッティングの内容などによって変わりますが、おおよそ数十万円(制作費を含まず)くらいで収まるようです。こちらも認定代理店を通して依頼することができます。
まとめ
Spotifyのデジタル音声広告について調べてみました。良いところもありましたが、やはり、そうでもないところもありました。それであたりまえなのかもしれませんが。
良いところとして、デジタル音声広告のターゲティングの精度、リスナーのリスニングの履歴や好きなプレイリストの傾向を興味や関心があることなどのデータとして活用しながらユーザーの状況に併せて適時に広告を配信できることがあげられます。
広告主は自社の商品やサービスに関心を持ってもらえそうなユーザーに効率的にリーチすることができます。また、音声広告ならではの利点としてリスナーが何か作業をしている最中でもメッセージを届けることができるので、さりげなく注意を引いて潜在的な顧客にもそれとなくアプローチができているのかもしれません。
ながら聴きしているユーザーはそれほど違和感なく音声広告を聴けていると思われます。ですから、広告嫌いのユーザーが、もし「ながら聴き派」であれば、広告を含めてそれほど鬱陶しいなどと思われないで聴いてもらえているということがあるかもしれません。
そうでもないところは、やはり、制作と出稿のコストが気になることでしょうか。広告の形式を問わず、それなりのクオリティで音声広告を制作しようとするならナレーションや音響をプロ仕様のスタジオで収録しなければならないので相当の費用をみこまなくてはなりません。
それと、あたりまえですが、音声広告は視覚に訴えることはできないのでビジュアルや細かいニュアンスを伝えるのはむずかしいです。そういう弱いところを逆手にとって強みに変えることもありえないことではありませんが、それでも、音声広告を出すのをためらわれる商品、サービスというものは相当数あると思われます。
Spotify広告の出し方とメリットについて説明できたかと思います。出稿を検討されている方の一助となればさいわいです。