業務で役に立つOfficeソフトのExcel(エクセル)ですが、エラー表示が出てしまうことが多くあります。いきなり関数や日付の表示が崩れたり、英語や#(シャープ)、数字の羅列等のエラーが出てきたりして困った経験がある方も多いはずです。「直し方が分からない…」「エラーを非表示にしたいけれどどうすればいいの…?」そんなときにどうやって対処すればよいのでしょうか。いくつか方法がありますので、紹介していきたいと思います。
目次
エラーの種類にはどのようなものがあるの?
表示エラー | 読み方 | エラーが示す内容 |
---|---|---|
#VALUE! | バリュー | 参照しているセルがおかしい |
#DIV/0! | ディバイド・パー・ゼロ | 割り算をするときに0で割っている |
#REF! | リファーレンス | 参照先がない |
#NAME? | ネーム | 関数もしくは参照範囲の名前がおかしい |
#N/A | ノーアサイン | 計算に必要な値が見当たらない |
このように、エクセルのエラーは横文字で分かりづらいものが多いです。上記の他にも、ピンポイントで原因を調べて直すためには一つ一つの意味を覚えておくのが理想なのですが、ここは慣れが必要な部分です。特に、お仕事で日付の表示形式をよく使うという方や、関数の複雑な式を目にするという方はできれば押さえておきたいところです。例えば、#DIV/0!が表示されたときは、計算の過程で0での割り算をしてしまっていると推測できますので、割り算をしているセルを見直して修正すればOKです。#REF!が表示されたときは、参照していたセルがなくなっていると予想できるため、シートを削除していないか、行や列を削除したことで計算式が影響を受けていないかを調べていけば、原因が分かります。このように、エラーの種類を覚えておけば、「どこを直せばよいか」という判断が早くできるようになります。
文字化け?#(シャープ)表示になるときの直し方
Excel(エクセル)を使っていてよくある代表的なエラーの直し方についてもご紹介しておきます。「#####」(シャープ)というエラー表示です。
この####(シャープ)表示を見て、文字化けになった!と焦る方もいらっしゃいますが、実は表示するための横幅が足りていないときに####(シャープ)が表示されるというだけなのです。
そこで、この####(シャープ)になるエラーの直し方としては、セルの横幅を広げてあげるだけで大丈夫です。
またアルファベットの列番号と列番等の間にカーソルを持って行き、ダブルクリックするだけでも横幅を自動調整してくれるので、シャープ表示を解消することができますよ。
計算を行ったあとや文字入力をしているときにはこの####(シャープ)をよく見かけると思いますので、これらの直し方を使って焦らず対処してください。
エラーが出た時にオススメの対応3選!
それでは、対処法を確認していきましょう。オススメの方法を3つご紹介します。
エラーが出そうな数式はIF関数を使って先回りしよう!
おそらくこの方法が一番スマートなのではないかと思われます。なぜならば、「エラーが出たから隠す」という後出しではなく、「予めエラーが出ないようにしておく」という、いわば先回りしておくやり方だからです。意外と簡単にできますし、どんなエラーにも対応できるので覚えておくと重宝しますよ。それでは、具体的な使用例を見てみましょう。
この場合、注文票におけるC4、D4、F4のセルにそれぞれVLOOKUPを使った数式を入力し、右側の表からデータを探して取り出してくることを目指しています。4~ 5行目は正しく結果が得られていますが、6~8行目でエラーが出ています。これは、なぜでしょうか。答えは、VLOOKUPの検索値(この値をもとに別の表からデータを見つけてきますよ、というフックになる値)がないからです。4~5行目はB列にID=検索値が入っているため、問題ないのですが、6~8行目は空となっています。#N/Aは、「必要な値がありませんよ」ということを示しています。
ここでは、IFを使って解決していきます。下の図を見てください。
エラーが表示されなくなっているのが分かりますね。やり方は簡単で、先頭に「IF(B4=””,””,」と入力しただけです。(そのあとオートフィルで数式をコピーしています)これは、空欄のままだと#N/Aエラーが出ることを見越し、予めそれを回避するために追加しているんですね。尚、””は空欄であることを意味します。「もし、B4が空欄だったら空欄にして、そうでなければ関数を使って値を取り出してくる」という式に修正しているんですね。
条件付き書式でエラーの文字を隠す!
続いて、条件付き書式を使ってエラーの文字を隠す方法をお伝えします。考え方としては、「エラーが出ているけど数式はそのままにして、エラーの文字を隠してしまおう」という感じです。正しい直し方ではないですが、咄嗟のときにはこれで対処しましょう。ホームタブにある条件付き書式をクリック、新しいルールをクリックすると、一覧の中に「数式を使用して、書式設定するセルを決定」があります。これを選び、「次の式を満たす場合に値を書式設定」のところに「=ISERROR(A1)」という風に入力をします。ISERRORのあとの()にはエラーを隠したいセルを範囲選択します。そして、書式ボタンを押して、フォントの色を背景色と同じ色に設定するだけです。
困ったときはIFERRORを使って数式を囲んでしまおう!
最後にご紹介するのは、IFERROR(イフエラー)を活用したやり方です。この方法では、IFERRORで全体を囲んでしまい、エラーが出た時に代わりに表示したい文字列を設定します。
「IFERROR(「式」、「表示したい値」)」という順番で入力をします。ここで表示したい値のところに””とダブルクォーテーションマークを2つ続けて入力すると、先程も出てきましたが空欄を意味することになり、何も表示させないということが実現できるわけです。
ここまで、エラーについて、具体的な例や直し方・対処法を中心にご紹介してきました。
一見文字化けのように見える#####(シャープ)のエラーなど、エクセルを使う時にエラーはつきものですが、今後エラー表示が出た際はぜひ今回の直し方を参考にしてみてくださいね。