1月23日
【医療事務を勉強している人必見!】今日の医療事務講座は、ご質問頂いた内容にお答えしていきます!
今回は、実際にコメントで頂きました質問にお答えいたします!
手書き算定で、薬剤料の計算の仕方について質問がありました。薬剤料は独特の計算方法があるため、なかなか難しいですよね。現在では、コンピュータで受ける試験も増えており、自動的に計算してくれるシステムも増えてきましたが、医療事務としてお仕事をするためには計算方法は知っておくべき!という事で、ぜひ参考にしてみてください。普段手書き算定している方も、コンピュータ算定の方も見てくださいね!
薬剤の算定
皆さんは薬剤算定をしたことがありますか?診療報酬請求書を作成する際、点数を算定していきますが、医療事務の会計は「円」ではなく「点」なんですよね。それに伴い、薬剤も点数で算定をしなくてはならないのですが、もともと薬剤は円計算になっているため、使用した薬剤を一度点数に換算し、また円に戻して会計をするというとても遠回りな対応をしなくてはなりません。しかも、昔は手計算しかなかったので一つ一つを薬価早見表という時点のような分厚い本の中から使用した薬剤の価格を調べ、それを一度点数に換算していくという事を毎回行っていました。そのため、病院の待合室はいつでもいっぱいで診療が終わった後も長く会計をするまでに待たされた。という経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。パソコンがまだ普及していなかった頃は、一つ一つがすべて手計算でしたので今よりもだいぶ時間がかかったのです。現在では、手書きで算定している病院も少なくなり、薬剤自体は院内薬局ではなく、院外の調剤薬局になったこともあり薬剤を1から100まですべて計算することはなくなりましたが、それでも手書きの病院はありますし医療事務員として薬剤の計算がどのようにして計算されいているのかは把握しておく必要があります。また、医療事務の試験もコンピュータがだいぶ主流にはなってきましたが、手書きレセプトの試験もあり、病院によっては就職が決定した後や採用条件として手書きレセプトの試験を合格することを条件に出されることがあります。ですので、これから医療事務で働こうと思っている方は、デジタルの力だけではなくどのように算定されているのかをこの機会に理解して頂ければと思います。
算定のポイント
薬剤算定のポイントはもちろん早見表に記載されているので、しっかりと早見表を確認しながら算定をしていきましょう。今回質問頂いた薬剤算定は、麻酔薬剤についての算定でした。麻酔の項目を早見表で確認すると以下のように記載があります。
- 薬価が15円以下の場合は算定しない
- 薬価が15円を超える場合は、薬価から15円控除した額を10円で除して得た点数につき、1点未満の端数を切り上げて得た点数に1点を加算する。
上記のルールに沿って計算をしていきます。手書き計算の場合は、まず薬価早見表から探し出すのも大変なのですが、早見表から金額を見つけ出したらそれぞれの計算ポイントを確認しながら算定していきます。まず大前提に、15円を超える薬剤のみ計算が必要になりますので、そこを見極めましょう。実際にカルテに記録されている薬剤を一つずつ確認し、薬価早見表から金額を探し出します。薬価早見表は診療報酬早見表と同じですが、最新のものを使いましょう。結構薬剤もリニューアルされていたり、使われなくなった薬、名前の変更など細かく変更されているため、古い早見表を使用していると間違いのもとです。
早見表から金額を探し当てたら、ここから計算をしていきます。計算のポイントは上記に記した通りです。
例)
セボフレン吸入麻酔液60ml(47.30円/ml)=284
47.30円×60ml=2838 2838-15/10=282.3 繰上げ+1
上記のような計算で導き出していきます。引いたり足したり割り算したりと、とても忙しいのですが、慣れてしまえば手順が同じなので、難しく考えなくても計算できるようになっていきます。なれるまではとても大変ですが、計算の仕方を知ることはとても大切なことです。
勉強をしているときに手書きで計算をしていると、現場でパソコンを使用することになった時とても感動します。まず、いちいち早見表をひっくり返さなくても、自動で算定されていくことと、なんと言っても薬剤の計算をしなくてもいいですので、重たい薬価早見表を調べる必要もありません。コンピュータで算定することが当たり前だったとしても、理屈や仕組みが分かっていないと、肝心な時に算定ミスをしてしまったり、説明することが出来なくなってしまったりしますので、手書きでの算定にチャレンジして頂くことはとても重要ですね。手書き算定は確かに面倒くさいですし大変なのですが、計算がスムーズにできて正しく計算出来たときはとても気持ちいいです。効率よく作業をしていくためには、こうした基本的な理解が必要になるのです。これから医療事務を目指す方は、手書きレセプトでしっかりとした準備をしておくことも大事だと思います。
手書き算定は経験しておきましょう!
いくらコンピュータが当たり前の時代になったからと言って、機械に頼りすぎてしまうのもよくありません。パソコンは確かに便利なのですが、算定しなくてもいい点数を自動で算定してしまったり、計算式を知らないで正しい計算がされたり、医療事務の算定を実は何となくで計算している方も多いと思われます。時代の進化なので、機械を有効活用することはとてもいいことなのですが、それは基本的な算定を理解しているからこそです。
例えばですが、皆さんお買い物をする時など商品の値段を自然と頭の中で計算したり、想像したりしてお買い物しますよね。その場合は暗算で計算をしたり、手元のスマホで電卓を起動して計算したり。と基本的には暗算をして、足したり・割ったり・掛けたりと基本的な計算式を理解しているからこそ、計算が出来ますよね。それと同じで、医療事務も基本的にどう計算をして、その答えが出ているのかを理解することで、普段の算定が素早くなったり、間違いの無い計算や、効率のいい計算ができるのです。世の中、足し算と引き算しか知らなかったら、計算できませんよね。大げさな話かもしれませんが、今私たちが普段生活をしていて、頭で計算したり理解したりして効率よく生活をしているのは、様々な計算方法を知っているからではないでしょうか。ちょっと話は大きくなりすぎたかもしれませんが、何事も基本を知っているからこそ、応用が活きていくんだと思います。ですので、医療事務のこうした計算式も、今はコンピュータを使っているんだから知らなくていいか。ではなく、その道のプロとして、計算の仕方を理解して頂き活用して頂きたいと思います。
また、コンピュータの資格だけを取得して就職活動をしたら、手書き算定の病院だった。とか、様々な災害などで停電になってコンピュータが使えない。という事だってあり得るかもしれません。そこまで言ったら計算をしている場合ではないと思いますが、何が世の中あるかはわかりません。いざという時に自分が困らないようにするためには、やはり基本をきちんと理解しましょう。こうした手書き計算で算定していくことこそ、医療事務の原点。基本な部分だと思います。なので、いまだに採用する方へ向けて手書きレセプトの試験を合格するように指示が出たりするのかもしれませんね。