母集団全体から分散を計算できる【VARPA関数】、不偏分散を計算する【VARA関数】

今回は母集団全体から分散を計算できる【VARPA関数】、不偏分散を計算する【VARA関数】についてブログにしました。統計分析をExcelでできたら楽ですよね。

統計学で使用する分析方法にはいくつか種類がありますが分散はその中でも代表的な統計分析方法と言えます。【VARA関数】はバリアンス・エー関数、【VARPA関数】はバリアンス・ピー・エー関数と読みます。計算式では難しい計算もエクセルを使えば一瞬です。

それでは中身について掘り下げていきます!

【VARPA関数】と【VARA関数】の違いは?

【VARPA関数】と【VARA関数】の違いについて説明します。【VARPA関数】はある値の母集団全体の分散(値のばらつき)について計算できます。なので統計で出したい値の母集団がまとまっているのか(尖った山形のグラフをイメージするとわかりやすいですね)判断することができます。【VARA関数】はその母集団全体から部分的な値を集まりのばらつきの推定値を計算することができます。なので【VARPA関数】と【VARA関数】の違いとしては、大きい値の集合体で使うのが【VARPA関数】、【VARPA関数】で使う大きな値の集合体から部分的に取り出した値の集合体の分散で使うのが【VARA関数】です。違いはイメージできましたか?関数の名前も似ているので間違えないようにしたいですね。

「母集団全体」と「標本となる母集団」て何?

統計の勉強をしていると引っかかるのがこの「母集団」という言葉や「標準」という言葉ではないですか?何のことだろうと思っている方向けに説明します。「母集団全体」というのは統計対象の全集合(統計で分析したい数値の大きな集合体)です。その中から抽出した部分的な集合体が「標本となる母集団」です。

【VARPA関数】の使い方

まずは【VARPA関数】からご紹介していきます。
画像のExcelデータを作成してからこの後の内容を読むと理解が深まるのでおすすめです。パソコンにExcelがインストールされている方は是非事前準備をお願いします。

【VARPA関数】の特徴としては、引数(関数のカッコ内の参照する値)に数値を表す文字列を指定できる点です。それでは具体的にVARPA関数の使い方を見ていきましょう。

【VARPA関数】を使ってみよう!

VARPA (値1 ,値2 ,値3 …)
母集団には1~255の値を引数の値に入れることができます。試験を受験しなかった人には「欠席」という文字列を入力しています。これは「0」と入力したのと同じです。0点ということですね!空欄にしてしまうと計算結果が違ってきますのでセルに入力するかしないかは重要です。

= VARPA (75,0,99,85,78,0,90)と入力すると
「1541.142857」という値が出ました。

「欠席」は「0」という数値に置き換えています。
引数として「欠席」という文字列のまま指定するとエラーが表示されます。

引数をセル参照にした場合だと
= VARPA (B2:B8)となります。

【VARA関数】の使い方

続いて【VARA関数】を使ってみましょう。
【VARA関数】は文字列も含めて母集団の値として計算にふくめていきます。文字列も含めて標準偏差を計算することができるってことですね。

具体例を挙げると、「0.6」という値を「60%」という文字列で表すことができます。よって「60%」は数値を表す文字列ということになります。

【VARA関数】を使ってみよう!

VARA (値1 ,値2 ,値3 …)

= VARA (20,25,30,26,0,27,24)と入力すると
「100.9047619」という予測結果になります。

B6セルには「測定不能」という文字が入っていますがこちらは「0」と同じ意味になるので「0」と引数に入力しています。関数を使用する際に注意したいのは、B6セルを空白のセルにすると結果が違ってくる点です。

【VARA関数】も【VARPA関数】と同様に数値を表す文字列を引数で使用することができます。「1/5」という文字列は「0.5」と読み替えられます。

引数をセル参照にした場合だと
= VARPA (B2:B8)となります。

母集団全体から分散を計算できる【VARPA関数】、不偏分散を計算する【VARA関数】まとめ

統計分析したいある母集団全体から分散を計算することができるExcelの関数【VARPA関数】と、同じくExcelの関数で不偏分散を計算できる【VARA関数】はいかがでしたでしょうか。

「母集団全体」と「標本となる母集団」の違いを知っているとどちらの関数を使用すればいいか判断がつきやすいです。【VARPA関数】は「母集団全体」の知識が必要で、【VARA関数】は「標本となる母集団」の分散を出す関数でしたね。

また【VARA関数】【VARPA関数】は引数に「数値を表す文字列」を使用することができました。具体例で「60%」や「1/5」などをあげました。

統計分析をしようとすると用語がわからず先に進めないという方も多くいらっしゃると思います。そんな時は計算した結果がすぐに表示されるExcel関数を使った統計がおすすめです。