ブラックハットSEO手法一覧で解説!ホワイトハットとの違いは?

ブラックハットSEO手法一覧で解説!ホワイトハットとの違いは?

ブラックハットSEOとは、ユーザーや検索エンジンを欺き、不正に上位の検索順位を目指すSEO対策の手法です。掲載順位を決めるGoogleの検索アルゴリズムの穴を狙って打つ施策であり、ペナルティの対象になります。

本記事では、ブラックハットSEOとは具体的にどのような行為が当てはまるのかを分かりやすく解説していきますので、知らないうちにブラックハットSEOを行い、ペナルティの対象にならないよう、しっかりと理解しましょう。

また後半では、ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違いや、ブラックハットSEOに対するペナルティの内容等も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ブラックハットSEOとは?

ブラックハットSEOとは、Googleのガイドラインに背いた不正な方法で、ユーザーや検索エンジンを欺き、上位の検索順位を目指す手法です。

Googleのガイドラインでは、検索順位を上げるための不正行為をしないことを基本方針として掲げています。このガイドラインで不正行為として定義している、スパム行為や隠しテキスト等の手法が、ブラックハットSEOと呼ばれています。

<参照:Google検索の基本事項(旧ウェブマーケター向けガイドライン)|Google検索セントラル>

2000年に登場したGoogleの検索エンジンは、2010年頃まではブラックハットSEOで検索順位を簡単に上げることができるアルゴリズムであったため、この手法でも検索順位は上がりました。

しかし、対策としてGoogleは数回のアルゴリズムのアップデートを行い、現在ではほとんどが意味のない手法となっています。

特に、以下に示した2011年〜2012年にかけてGoogleが開発した画期的なアルゴリズムにより、数多くのブラックハットSEOの手法が通用しなくなりました。

パンダアップデート2011年にリリース・Webサイトのコンテンツ品質を評価するアップデート
ペンギンアップデート2012年にリリース・被リンクの品質を評価するアップデート

またGoogleは、ブラックハットSEOに対して厳しいペナルティを与えるようになり、ブラックハットSEOは非常にリスクの高い手法となりました。(ブラックハットSEOに対するペナルティについては、後半で解説しています。)

代表的なブラックハットSEOの手法一覧

ここからは、以下の代表的なブラックハットSEOの手法について、それぞれ説明していきます。

  • コメントスパム(ユーザー生成スパム)
  • サイトへの不自然なリンク
  • サイトからの不自然なリンク
  • コピーコンテンツ
  • ワードサラダで作成したコンテンツ
  • 隠しテキスト・キーワードの乱用
  • 隠しリンクの乱用
  • クローキング・不正なリダイレクト
  • 自動生成されたコンテンツ
  • 悪意のある動作を伴うページの作成

コメントスパム(ユーザー生成スパム)

コメントスパムとは、自身とは関係のない第三者のブログや掲示板のコメント欄から、自社サイトに向けてリンクを貼ることで、被リンクを獲得する手法です。

自社のWebサイトにコメント欄がある場合は、自社がコメントスパムの対象になるリスクもあります。

自社のWebサイトにスパムコメントが投稿されると、低品質なコンテンツがある、スパムによってユーザーに不快を与える、とGoogleが判断し、自社のWebサイトの評価が下がることがあります。

そのため、スパム対策ツールや、コメント欄を定期的に確認する等の対策が必要です。

Googleからも、コメントスパム(ユーザー生成スパム)の防止方法について記載されたページがあるので、よろしければご参照ください。

<参照:コメントスパムを防止する方法|Google検索セントラル>

不自然なリンク

サイトへの不自然なリンクとは、検索順位を上げる目的で、コンテンツの関連性の有無に関わらず不正にリンクを集める手法のことです。

Googleの検索エンジンは、被リンクの多いWebサイトに対し、ユーザーからの信頼度が高いと評価します。そのため、この仕組みを利用し、自社のWebサイトに不正な方法でリンクを集めることで、自社のWebサイトの検索順位を上げることができます。

Googleのガイドラインでは、以下のような方法でリンクを集めることを禁止しています。

<参照:リンクスパム|Google検索セントラル>

  • 外部リンクの売買
  • 過剰な相互リンク
  • 自動プログラムを使用して自社サイトへのリンクを作成

また、検索順位を上げるために大量の相互リンクを行うことを目的として作成された、「リンクファーム」と呼ばれるサイト群も存在します。

しかし、現在ではGoogleの検索エンジンの精度が上がり、殆どの場合で自然なリンクか不自然なリンクかを判別できるようになりました。

サイトからの不自然なリンク

サイトからの不自然なリンクとは、特定のサイトに対してリンクを発する手法のことです。

つまり、サテライトサイトのことを指します。

ペンギンアップデート以降は、被リンクの設置だけを目的とした低品質なサイトはGoogleからペナルティ対象とされ、本サイト、サテライトサイト共に検索順位を下げられるようになりました。

尚、不自然なリンクには相互リンクが含まれる場合もあるため、知人のWebサイトのリンクであったとしても、意味もなく大量のリンクを貼るのは避けるべきです。

コピーコンテンツ

コピーコンテンツとは、他のWebサイトのコンテンツをそのまま使用したり、少しだけ修正したコンテンツを使用することを指します。

複数のWebサイトに同一のページがあることになり、Googleの検索エンジンから重複コンテンツと見なされれば、ペナルティの対象になります。コピーコンテンツに関しては、SEOのアルゴリズムの観点だけでなく、剽窃や盗用という観点からも避けるべき行為です。

ワードサラダで作成したコンテンツ

ワードサラダとは、日本語の文法的には正しいものの、意味が破綻している文章のことです。

SEO対策のためにキーワードに関連する共起語や関連語句を詰め込んだ文章がワードサラダに該当します。以下に、ChatGPTにワードサラダを例示させた文章を紹介します。

ワードサラダで作成した文章例

ワードサラダで作成した文章例

上記の文章は、文法としては間違っていませんが、不自然な文章であり、ユーザーにとって役に立ちません。

以前までの検索エンジンでは、文章が不自然かどうかまで判断できなかったため、ワードサラダが多用されていました。しかし現在では、検索エンジンの大幅なアップデートにより、文法だけではなく文章の意味まで正しく理解できるようになったため、この手法は通用しなくなりました。

隠しテキスト、キーワードの乱用

隠しテキストとは、ユーザーには見えないキーワードをたくさん記述し、Googleの検索エンジンに読み込ませて検索順位を上げるという手法です。

<参照:隠しテキストと隠しリンク|Google検索セントラル>

以前は、キーワードとなる言葉が多く使用されていたり、文字数が多い方が、検索エンジンからの評価が高く検索順位が上がりやすいと言われていました。そのため、隠しテキストを利用して意図的に文字数を増やしていました。

隠しテキストの具体例は、以下の通りです。

  • サイトの背景色と文字色を同一にする
  • フォントサイズを0や1にする
  • CSSを使用してテキストを画面外に配置する

しかし現在では、ユーザーに見えないような隠しテキストを使用すると、Googleの検索エンジンから信頼性の低いサイトだと認識されます。

また、キーワードの乱用も、特定のキーワードの含有率を上げることで検索順位を不正に高めようという手法です。

しかし、特定のキーワードが異常な回数出現すれば、不自然な文章となり、Googleの検索エンジンに人為的な操作であると捉えられる可能性があります。

隠しリンク

隠しリンクとは、ユーザーには見えないリンクをGoogleのクローラーにだけ読み込ませる手法です。

この手法の目的は、ユーザーに気付かれないようにリンクを増やすことで、Googleにページの重要性を誤認させることです。

<参照:隠しテキストと隠しリンク|Google検索セントラル>

隠しリンクの具体的な例は、以下の通りです。

  • サイトの背景色と同じ色でリンクを設定する
  • フォントサイズを0や1にする
  • 句読点などの1文字にリンクを設定する

Googleから、ユーザーに対しての価値がなく、クローラーに読み込ませるためだけのリンクであると判断された場合には、ペナルティの対象となるため、注意しましょう。

クローキング・不正なリダイレクト

クローキングとは、検索順位を操作したり、ユーザーに誤解を与えることを目的として、ユーザーと検索エンジンに異なるコンテンツを表示する手法のことです。

<参照:クローキング|Google検索セントラル>

不正なリダイレクトとは、ユーザーと検索エンジンに異なるコンテンツを表示したり、ユーザーの本来のニーズを満たさないコンテンツを表示することを目的に、サイトにアクセスしようとしたユーザーを、最初にリクエストされたURLとは別のURLに移動させることです。

<参照:不正なリダイレクト|Google検索セントラル>

このようにして、クローラーが訪問してきたときのみ、キーワードを大量に詰め込んだHTMLを認識させ、そのページが対象のキーワードに対して情報量が多いかのように誤認させます。

クローキングは、ブラックハットSEOの手法として通用しなくはなってきましたが、検索エンジンの目をかいくぐり、有効になってしまう可能性がある手法です。

悪気がなくクローキングにあたる設定をしてしまうこともあるため、注意が必要です。

自動生成されたコンテンツ

自動生成されたコンテンツとは、自動作成ソフト等を用いて量産されたコンテンツのことです。

<参照:自動生成されたコンテンツ|Google検索セントラル>

2023年現在、ChatGPTやAI等も使用されるようになり、コンテンツの自動生成は容易にできるようになりました。しかし、文脈が不自然になる等ユーザーの役に立たないコンテンツになる傾向があり、Googleから質の低いコンテンツと認識される可能性があります。

自動生成されたコンテンツであっても、ユーザーの役に立つ価値の高いコンテンツであれば、ペナルティの対象にはならないとGoogleは公言しています。

悪意のある動作を伴うページの作成

悪意のある動作を伴うページの作成とは、Webサイト上でユーザーの予想や希望とは異なる動きをするコンテンツを作成することです。

<参照:悪意のある動作を伴うページ|Google検索セントラル>

具体的な動作の例は、以下の通りです。

  • ユーザーがクリックしたとき、実際は別の部分をクリックしたことにする
  • ページ上に既にある広告を別のものに置き換える
  • ユーザーがダウンロードしたとき、意図しないファイルもダウンロードさせる
  • ユーザーのパソコンにウイルス等をインストールする
  • ユーザーの同意を得ずに、ユーザーのブラウザの検索設定等を変更する

このように、ユーザーが求めているもの以外を表示させたり、ユーザーの同意なくファイルをダウンロードさせることは、Googleガイドライン違反の対象になるので、注意しましょう。

ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違い

ここまでブラックハットSEOの手法を紹介してきましたが、ここでは、ブラックハットSEOと、その反対の手法であるホワイトハットSEOの違いを解説します。

Googleのガイドラインに準じたSEO対策か

まず、ブラックハットSEOとホワイトハットSEOでは、Googleのガイドラインに準じたSEO対策か、という点が異なります。

<参照:Google検索の基本事項(旧ウェブマーケター向けガイドライン)|Google検索セントラル>

ブラックハットSEOは、Googleの検索アルゴリズムの裏をかき、不当な方法で検索順位を上げようとする手法です。

よって、Googleのガイドラインに準じたSEO対策とはいえません。

一方、ホワイトハットSEOは、Googleの評価基準を正しく理解し、その基準に基づいたうえでSEO対策を行う手法です。

よって、Googleガイドラインに準じたSEO対策であるといえます。

ユーザーファーストになっているか

ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違いとして、ユーザーのことを考えたサイト構成やコンテンツ内容を作れているかも大きなポイントです。

ブラックハットSEOは、ユーザーを欺いて検索順位を上げる手法であり、ユーザーファーストであるとはいえません。

一方、ホワイトハットSEOは、ユーザーにとっての有意義な内容や、見やすい構成を追及していく手法であり、ユーザーファーストであるといえます。

結局ブラックハットSEOは有効なのか?

ここまで解説してきたように、検索順位を上げるために不正な方法を用いるブラックハットSEOですが、結論としては、通用しなくなってきています。

但し、2023年現在でも一部のブラックハットSEOは効果を発揮してしまう、というのが現状です。

しかし、ブラックハットSEOの効果が薄くなってきていることは間違いありません。

仮にブラックハットSEOを行って順位が上がったとしても、定期的に行われるGoogleアップデートにより、それまで通用していたブラックハットSEOの手法が通用しなくなる可能性も大いにあります。

また、ブラックハットSEOを行い、Googleからペナルティが課された場合のリスクは非常に大きく、Googleのガイドラインに反したブラックハットSEOに取り組むのは時間の無駄だといえます。

下記では、ブラックハットSEOに対し、Googleからペナルティが課された場合の内容について紹介します。

ブラックハットSEOに対するペナルティの内容

ブラックハットSEOを行ってGoogleからペナルティが課せられた場合、そのペナルティの内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 検索順位が大幅に落ちる
  • 検索エンジンからインデックスが削除される
  • ドメインがインデックスから削除される
  • Webサイト運営のためのIPアドレスが禁止される

ペナルティの対象になった場合、上位表示されていたページが100位以下まで落ちることもあります。

また、ペナルティの対象となる可能性がある手法について、Googleが明言しているページがありますので、よろしければご参照ください。

<参照:Googleの手動による対策レポート|サーチコンソールヘルプ>

ペナルティを受けた場合は、再審査リクエストを行い解除の申請をすることも可能ですが、以下のように、ペナルティ以前の状態に戻るには大変な労力と時間を要します。

  • ペナルティ解除に時間がかかる
  • ペナルティが解除されない場合がある
  • ペナルティが解除されても元の順位に戻らない

このように、ペナルティを受けるリスクは非常に大きく、最悪の場合、ドメインを取得し直して1からサイト運営を始めることになってしまう可能性があるので気を付けましょう。

ブラックハットSEOを報告する方法

ブラックハットSEOを行っている疑いがあるWebサイトを見つけたときは、Googleに報告することができます。

<参照:Googleの報告ページ>

報告を行ってもGoogleが違反に対して直接対処することはありませんが、アルゴリズムによるスパム検出が改善されます。

以下に、Googleに報告できるブラックハットSEOの報告カテゴリをまとめました。

報告カテゴリカテゴリに含まれる手法
スパム行為のあるコンテンツ隠しテキスト・誘導ページ・クローキング・不正なリダイレクト等
有料リンクのスパム外部リンクの売買・過剰な相互リンク等
マルウェア悪意のあるソフトウェアの配布等
フィッシング他のページへのなりすまし等

ブラックハットSEOを行わないために読むべきコンテンツ

ここまで、ブラックハットSEOについて紹介、解説をしてきましたが、ブラックハットSEOに該当するか否かの基準は常に見直されています。

そのため、気付かないうちにブラックハットSEOを行っていた、ということがないよう、常に新しい情報を収集しておくことが大切です。

そこで、情報収集するときに役立つコンテンツを以下に紹介するので、よろしければ参考にしてみてください。

コンテンツリンク
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイドGoogle公式 SEOスターターガイド|Google検索セントラル
Google検索の基本事項(旧Webマーケター向けガイドライン)Google検索の基本事項(旧Webマーケター向けガイドライン)|Google検索セントラル

まとめ

ブラックハットSEOについて、代表的な手法の紹介やホワイトハットSEOとの違いを説明してきました。

ブラックハットSEOとは、Googleのガイドラインに背いて不正に検索順位を上げる手法であり、現在では殆ど通用しません。ブラックハットSEOに対してGoogleから課せられるペナルティを考えると、早い段階でホワイトハットSEOに以降すべきだといえます。

ブラックハットSEOがどのようなものなのかしっかりと理解して、気付かないうちにペナルティの対象とならないよう、健全にSEO対策を行っていきましょう。