【医療事務 初心者さん必見!】医療事務 資格勉強されている方に向けた実践形式解説!処置編

今回の実践算定は、処置について解説を行っております。処置も項目がとても多いので、基本的な算定ポイントをしっかりと把握して、正しい点数を算定できるようになりましょう。また、動画内では加算点数についても解説を行っております。処置ならではの算定ポイントと、診療報酬早見表の見方なども解説しておりますので、素早く正しい点数を算定できるように準備していきましょう!

処置の時間外・深夜・休日加算について

今までも、初診や再診など時間外加算等の算定はありましたが、処置の項目にも時間外・深夜・休日加算があります。これまでは、時間外等であった場合条件が合えばそのままカルテ通りに算定することができておりましたが、処置の場合にはまた細かい算定の規定がありますので、注意する必要があります。時間外・深夜・休日であることを前提に以下の通りの条件に当てはまるかを確認して、算定を行います。詳細については、早見表の通則に記載がありますので、必ず確認しましょう。

(イ)の条件に当てはまる場合
この場合は、処置料が1,000点以上算定されていることと、医療機関が施設基準を満たしていると判断され、地方厚生局長に届け出を提出している際に算定できる点数になります。
(ロ)の条件に当てはまる場合
この場合は、処置料が150点以上算定されており、外来の患者が対象になります。入院患者に対しては算定することができません。

このように、処置で加算点数を算定する際は決まっているルールがあるため、その条件を満たしていることが前提になりますので、単純に時間外だからとか、深夜・休日だからという事で算定できる項目ではないので、注意が必要になります。
また、上記に記載した点数算定については、一つの処置項目に対しての点数になりますので、1日に複数の処置を実施しており、それを合算して150点以上にするという事ではなく、一つの処置項目で150点以上もしくは1,000点以上という事ではありませんので、気を付けて算定していきましょう。

処置算定の注意点

処置の算定で注意しなくてはならない部分は他にもあります。処置というのは、手術までいかない治療行為になりますので、1つの治療に対して複数の処置を施す場合があります。
そのため、すべての処置料が算定できるわけではなく算定できない処置項目も出てきます。こちらも早見表に詳細が記載されているのですが、カルテ通りに算定されるわけではありませんので、要注意が必要になります。カルテを見たまま算定してしまうと、実は算定できなかった。という事も多くあります。ですので、算定をする前に必ず早見表を見て確認して頂く事が重要になります。算定する予定の処置項目を早見表で調べてみると、種類によっては欄外に「同一日に実施した場合には、主たる点数により算定を行う。」というような文言が記載されております。
この場合には、一緒に算定してはいけない。【主たる】というのは、その中で一番点数が高い処置だけを算定してください。という意味になります。ですので、対象となる処置料を調べてその中で、一番点数が高い処置項目だけ算定を行うという流れになります。カルテには、実施した内容をそのまま記載・記録を残さなくてはならないことになっているため、実施した処置項目はすべて記載されておりますが、かといってそのまますべてを算定していいという理屈ではありませんので、カルテを正しく理解して算定をしていきましょう。

処置で使用した薬剤料の算定について

これまでも注射で使用した薬剤の計算方法などを解説してきましたが、処置で使用した薬剤料もしっかりと計算し、点数算定していかなくてはなりません。コンピュータ算定を行っている場合には、薬剤名や使用量を間違えないように入力をすれば問題なく算定することはできますが、手書き計算の場合はすべて1つ1つ点数に換算し、【円】を【点】にしていかなくてはなりませんので、計算方法はしっかりと把握しておきましょう。

今回の動画で使用した薬剤は

  • ムコフィリン吸入液 0.5% 2ml 1包
  • ビソルボン吸入液 0.2% 2ml
  • 生理食塩液「ヒカリ」 20ml 1A

となります。こちらの単価を薬価早見表で調べて、そこから計算を行って参ります。
計算方法については、早見表を調べると「薬価が15円を超える場合は、薬価から15円を控除(マイナス)し、10円で除(割り算)し、得た点数につき1円未満の端数を切り上げて、1点を加算」とあります。1度見ただけでは、結果どう計算すればいいの?と悩んでしまいそうな公式なのですが、簡単にすると15円を超えたら「15円を引いて10で割って端数を繰上げ1点を加算する」という事になります。早見表に記載している内容はとても理解するのが難しいと思うのですが、一度計算方法を把握してしまえば、毎回その繰り返しになります。薬剤の計算方法として手書き計算をしている方だけではなく、コンピュータ算定をしている方も、計算の概念は理解しておいた方がいいと思います。
このような計算を経て、点数へ換算することができるわけです。

ですので、今回の場合はそれぞれ計算を行うと「14点」という点数が結果として出てきます。また、計算をする際には使用されている薬剤をすべて合算して計算して頂けますので、一つ一つ計算する必要はありません。処置の点数だけではなく、他の薬剤においても合算計算して頂いて大丈夫ですので、最初に合計した金額から上記のような計算を行います。
計算手順はしっかりと把握しておくことと、試験に出題される薬剤はある程度似ている薬剤が出題されますので、毎回薬価早見表から調べるのは面倒くさいと思います。一度調べた金額は、メモをまとめておくか付箋やマーカーで線を引いておくと見返したときにとても便利ですので、お勉強をしているうちに自分なりの見やすい早見表を作成していきましょう。