簿記2級商業簿記対策③:現金預金、債権・債務

簿記2級商業簿記対策③:現金預金、債権・債務についてご紹介します。
検定試験では第1問の仕訳問題、第2問の計算問題、第3問の決算問題のほぼすべての問題の基本になります。
YouTube動画もありますので、動画をご覧になりたい方はこちらです。

1.現金および預金
2.債権・債務

1.現金および預金

(1)現金
簿記で扱う現金には、通貨の他に通貨代用証券が含まれます。まず3級で通貨代用証券について、①他人振出しの小切手、②郵便為替証書および③送金小切手の3つについてみなさんは学習しましたが、2級で新たに④配当金領収書および⑤期限の到来した公社債の利札の2つが追加されます。詳細については次回、「有価証券」の回で学習します。

(2)預金
  簿記3級と同様、①普通預金、②当座預金および③定期預金の3つになります。
① 普通預金
2年ほど前までは「預金」といえば当座預金でしたが、今では普通預金が主流となっています。問題文に出てくる預金の種類を読み間違えないようにしてください。
② 当座預金
小切手や手形などの決済用に使用される預金で、普通預金のような通帳がない、金利がつかないなどの特徴を持っています。2級では、銀行勘定調整表を作成して当座預金残高を修正する問題が追加されます。(後述します)
③ 定期預金
上記2つの預金は貸借対照表上、流動資産に分類されますが、定期預金は正常営業循環(仕入→売上→仕入→…)から外れるためワンイヤールール(1年基準)の適用を受けます。よって、定期預金の満期日が、決算日の翌日から起算して1年以内のものは流動資産ですが、1年を超えるものは固定資産の投資その他の資産に分類されます。

(3)銀行勘定調整表 
  当座預金に関しては、企業側の残高と銀行側の残高に不一致が生じることがあります。
  不一致の原因としては、時間的なずれ(タイムラグ)によって生します。例えば、夜間金庫にお金を預けたとき、企業側ではその日に当座預金の増加として仕訳しますが、銀行側では翌日に預け入れとして処理されることから不一致が発生しますが、その不一致を是正するために銀行勘定調整表を作成して調整します。

銀行勘定調整表の作成方法は、T勘定を作成し借方に銀行残高、貸方に当社残高を記入します。そして、借方には銀行での加算項目と減算項目を記入し、借方には当社での加算項目と減算項目を記入し、貸借が平均すればその金額が貸借対照表の当座預金残高となります。
  【注意】※通常のテキストとは貸借を逆に記入しています。
計算用紙にT勘定を書く場合、左側に詰めて書くことが多いと思います。そうしますとT勘定の右側に余白が生まれ、そこに当社の修正仕訳を書くことができます。そのため貸方側に当社残高を書くことをお勧めしています。

 【銀行側の加算・減算項目】※仕訳なし
  ・加算項目
   夜間金庫など:翌日付預入(翌日に加算されます)
   未取立小切手:銀行に小切手の取り立てを依頼しているが、未だ取り立てが完了していないものといいます。(取立時に加算されます)
 ・減算項目
   未取付小切手:顧客に小切手を振り出して渡したが、未だ取り付け(引き出し)がされていないものをいいます。(取付時に減算されます)

【当社側の加算・減算項目】※仕訳します
 ・加算項目
  未渡小切手:顧客への支払いのため小切手を作成(当座預金の減少として仕訳済み)していたが、何らかの原因によって顧客に未渡しとなっているものをいいます。※当座預金増加の仕訳が必要。
① 買掛金に支払いのため ⇒ (借)当座預金 ××/(貸)買掛金 ××
② ①以外の支払いのため ⇒ (借)当座預金 ××/(貸)未払金 ××
   掛代金などの振込未通知
    例 (借)当座預金 ××/(貸)売掛金 ××  
  ・減算項目
   自動引き落としなどの未通知
    例 (借)買掛金 ××/(貸)当座預金 ××

2.債権・債務

(1) クレジット売掛金(3級の項目なので割愛します)
(2) 手形取引
(3) 電子記録債権・債務(3級の復習になりますので動画でご確認ください)
(4) その他の債権の譲渡
(5) 債務の保証 
(2)手形取引
① 手形の裏書 ⇒ 譲渡 ※手形の裏面に次の所有者の名前を書くことから命名
  例1)A社がB社から商品を仕入れ、代金は手形を振り出して支払った。
   A社の仕訳:(借)仕入 ××/(貸)支払手形 ××
   B社の仕訳:(借)受取手形 ××/(貸)売上 ××
  と仕訳します。そしてB社が受け取ったA社発行の手形は、B社の支払いに使いまわし(裏書譲渡)することができます。
  例2)B社がC社から商品を仕入れ、代金は上記A社より受け取った手形で支払った。 
   B社の仕訳:(借)仕入 ××/(貸)受取手形 ××
   C社の仕訳:(借)受取手形 ××/(貸)売上 ××
 
② 手形の割引 ⇒ 手形を担保にお金を借りることをいいます。
例2-2)B社がA社から受け取った手形を金融機関で割引き、利息を差引かれた差額が当座預金口座に振り込まれた。
 B社の仕訳:(借)当座預金 ××/(貸)受取手形 ××
       (借)手形売却損 ×/
 ※金融機関は銀行簿記(≠商業簿記)となるため仕訳を考える必要はありません。

③ 手形の不渡り ⇒ 手形がA社→B社→C社と流れていた手形が不渡り(支払不能)となった時、手形は遡及(C社→B社→A社へと遡及(逆流)すること)します。その時「請求権」が発生し、不渡手形勘定(資産)で処理します。
例2-3)A社が発行した手形が不渡りとなった。
 C社の仕訳:(借)不渡手形 ××/(貸)受取手形 ××
例2-3-2)C社からB社に遡及が行われ現金で決済した。
 C社の仕訳:(借)現金 ××/(貸)不渡手形 ××
 B社の仕訳:(借)不渡手形 ××/(貸)現金 ××
例2-3-3)B社はA社に遡及したが、代金回収できなかったので費用処理する。
   B社の仕訳:(借)貸倒損失 ××/(貸)不渡手形 ××

④ 手形の更改 ⇒ 期間延長
※支払期限の延長をするために旧手形と新手形を交換することをいいます。
  【期間延長の金利を新手形に含める場合】
   ・支払側:(借)支払手形 (旧手形)/(貸)支払手形 (新手形)
        (借)支払利息  金利 /
   ・受取側:(借)受取手形 (新手形)/(貸)受取手形 (旧手形)
                     /(貸)受取利息  金利
【期間延長の金利を新手形に含めない場合】※金利は現金払いの例
・支払側:(借)支払手形 (旧手形)/(貸)支払手形 (新手形)
        (借)支払利息  金利 /(貸)現金  金利
   ・受取側:(借)受取手形 (新手形)/(貸)受取手形 (旧手形)
        (借)現金  金利 /(貸)受取利息  金利

(3)電子記録債権・債務
  ※3級の復習であるため動画でご確認ください。

(4)その他の債権の譲渡 手形や電子記録債権以外の「債権」も譲渡できます。
  債権譲渡 ⇒ 債権を担保にお金を借りることをいい、金利が発生します。
例1) 横浜商店は、東京商店に対する売掛金¥10,000を同店の承諾を得て千葉商店に譲渡し、現金¥9,800を受け取った。
  横浜商店の仕訳:(借)現金  9,800/(貸)売掛金  10,000
          (借)債権売却損  200/
  千葉商店の仕訳:(借)金銭債権  9,800/(貸)現金   9,800
 例1-2)東京商店から千葉商店に掛代金が現金で無事決済された。
  東京商店の仕訳:(借)買掛金  10,000/(貸)現金  10,000
  千葉商店の仕訳:(借)現金  10,000/(貸)金銭債権   9,800
                    /(貸)受取利息    200

例2) 横浜商店は、東京商店に対する売掛金¥20,000を、千葉商店に対する買掛金を支払うために、東京商店の承諾を得て千葉商店に譲渡した。
 横浜商店の仕訳:(借)買掛金  20,000/(貸)売掛金  20,000
 千葉商店の仕訳:(借)売掛金  20,000/(貸)売掛金  20,000

(6) 債務の保証 債務の保証人となったとき
① 補修人を引き受けた時
 (借)保証債務見返  ××/(貸)保証債務  ××
② 無事決済されたとき
 (借)保証債務  ××/(貸)保証債務見返  ××
③ 債務者が支払い不能となり、立替払いした時(現金払いの例)
(借)保証債務  ××/(貸)保証債務見返  ××
(借)立替金  ××/(貸)現金  ××
 ※金銭消費貸借の場合の保証人は、通常、連帯保証人または根保証人となります。

【最後に】
最後まで簿記2級商業簿記対策③:現金預金、債権・債務を読んでいただきありがとうございます。
復習がてら3級の現金預金についても見てみるとより理解が深まります。また、現金は会計を行う上での基礎的前提になりますのでしっかり復習してマスターしてください。